カローラクラウンは販売力と商品力が段違い

 2019年度の登録車販売台数においてトヨタ・カローラが13年ぶりにトップとなったことがクルマ好きの間で話題となっている。オーナーの高齢化が進み、ある種のオワコンと思われていた名前が復活したといえるからだ。

 ところでカローラといえば、かつては日産サニーといったライバルが存在していたが、いまや国産のこのカテゴリーでは唯一の存在といえる。ホンダ・シビックがあるだろうという声も聞こえてくるが、2019年度の販売台数でいえばカローラ(シリーズ全体の合計)が11万4358台で、シビックは9116台。ライバルとはとてもいえない。

 同様に高級サルーンのカテゴリーにおいてはトヨタ・クラウンが圧倒的な存在感を示している。同カテゴリーのなかではクラウンのライバルとして日産フーガやホンダ・レジェンドというモデルを挙げることもできるが、販売台数からすると大差がついていて、こちらもライバルという感じではない。

 カローラクラウン、なぜトヨタのモデルはカテゴリーの象徴的存在でいられるのだろうか。その理由は商品力と販売力という身も蓋もない結論になる。とくに高級サルーンのカテゴリーにおいては保有台数(既存ユーザー)の差が圧倒的なうえ、このカテゴリーでは保守的なユーザーマインドが強いことを考えると、商品力だけでは差を詰めることは難しい。

カローラが属するCセグメントカテゴリーでは逆転も可能!

 逆に、カローラの属しているCセグメントカテゴリーでは商品力によって逆転可能だろう。それはカローラ自身がプリウスを押しのけて2019年度の販売トップに立ったことで証明している。とはいえ、ある程度の規模で売れていて、なおかつネームバリューもあるモデルに注がれる開発リソースが大きいのは当然で、そこまで実績のないモデルが同等以上の開発リソースを割いて、商品力で超えるというのは非常に難しいだろう。

 結果として売れるクルマはますます売れ、売れないクルマはいつまでもうだつが上がらないという状態が続いてしまう。だから、日産やホンダは「カローラ」や「クラウン」に匹敵するモデルを生み出せないでいる。さらに売れていているモデルは自身のブランドイメージを高めていくので、ますます差がついてしまうというわけだ。

 かつてCセグメントにおいてカローラを追い落としたのはハイブリッド専用モデルとして新しい価値を提案したトヨタ・プリウスだった。日産やホンダの立場になって考えると、強烈なブランド力を持つライバルにガチンコで打ち勝つモデルを生み出すより、異なる価値観を提供することで新カテゴリーを開拓することに勝機があるといえる。

 もっともユーザーからすると、同カテゴリーに魅力的なモデルが多く並び、各社が切磋琢磨することは商品性アップにつながるのでメリットにもなる。選択肢が増えることは楽しみにもなるだろう。その意味では「日産やホンダの奮起に期待したい」というクルマ好きも多いはずだ。