新生活のインターネット選び! 固定回戦vsモバイルルーター それが問題だ

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毎年2月頃から春に向けては、新生活のスタートシーズン。
引越や家電などの購入で量販店も忙しい季節です。

筆者も店頭で携帯電話やインターネット機器の販売に従事していたことがあるのですが、とにかく「新居のインターネット」についての相談が増加するのを実体験している。
特にこの時期は、家電やパソコンなどの同時購入で特典がつくセット販売が増えるのでmお得なセット選びは、かなり難しくなる。

もちろんこれまでと同様に、この春も、
新生活向けのインターネット回線をどうするのか?
これは多くの人の悩みのひとつだ。

そこで現時点でのインターネット回線の選択肢と選び方について解説していく。


○固定回線 vs モバイルルーター
自宅でのインターネット回線選びとして、多くの人が迷うのは「固定回線」と「モバイルルーター」の二択だろう。

固定回線の一番のメリットは、ズバリ「速度」だ。
集合住宅だと設備状況にもよるが100Mbps〜1Gbps、最近では5Gbpsや10Gbpsという、言ってしまえば異次元の速度とも言える高速通信が利用できる。

モバイルルーターの一番のメリットは、なんといっても「工事不要」であることだ。
契約して持ち帰ったその日からインターネットに繋げるのはもちろんのこと
・大家の許可を取らないと工事ができない
・女性の一人暮らしなので工事業者に来て欲しくない
こういった面倒な事情も工事不要のモバイルルーターであれば問題ない。

それぞれのメリットが、そのままそれぞれのデメリットにもなると考えるといいだろう。
例えば、
固定回線であれば、モバイルルーターと比べ工事の確認や手続きというデメリットがある。
モバイルルーターであれば、固定回線と比べ速度が遅いというデメリットがある。


○どちらを選ぶべきなのか
メリット、デメリットを把握したところで、次にどちらを選ぶかだ。

ここ数年はモバイルルーターの人気が高まっている。
最初こそリテラシーの高いユーザーだけが選ぶものだったのだが、今では
・スマートフォンの「ギガ」を気にしたくない若者
・スマートフォンのアップデートなどでWi-Fiが必要など、ネット回線依存度は低い
こういったケースでモバイルルーターが選ばれるようになっているのだ。

もちろん、モバイルルーターでも最近は高速化し、300Mbpsや400Mbpsなど、集合住宅向けの光回線よりも高速な速度を謳う製品、サービスも増えてきている。
そのためパッと宣伝文句を見ただけでは、モバイルルーターを選んでも満足できそうに感じる。




しかし、現在のインターネット利用の内容は、以前とは大きく異なっていることを忘れてはいけない。

これまでだと、「インターネット=Webサイトの閲覧」
こう真っ先に思い浮かべてしまう。
しかし。
ここ数年で「動画配信サービス」を利用する人が飛躍的に増えているのだ。
動画配信サービスはスマートフォンだけでなく、家庭の液晶テレビなどでも簡単に視聴できるため、家でも地上波放送より動画配信サービスを多く見るという人も多くなっている。

スマートフォン以上に大画面で動画コンテンツを視聴すると画質の差が一目瞭然なこともあり、画質重視で動画配信サービスを視聴したいとなると
・通信の速度
・通信量の制限
こういった要素が重要になってくる。

モバイルルーターでも速度だけならば固定回線に負けないことも多くなっている。
しかし「通信量の制限」については固定回線に劣るのは間違いない。

「月間データ利用量無制限」を謳うモバイルルーターであっても
・短時間に一定量以上使うと夜間に制限
・数日間に一定量以上使うと1日制限
こうした細かく制限が設けられている。
これは高画質の動画を、例えば映画をフルに2〜3本見てしまうと到達する制限となっていることが多い。
土日に映画を視聴すると、平日の速度が遅くなるとでもイメージするとわかりやすいかもしれない。




またで最近は、e-sportsやゲーム配信といった、ただ遊ぶだけではないゲームの楽しみ方も広がっている。もちろん従来からプレイされているインターネット機能を活用した対戦やネットゲームも人気だ。そうしたゲームの場合の場合は通信の遅延の影響が大きいことも知っておきたい。

つまり、無制限や高速通信が売りのモバイルルーターは。ライトな使い方として現在も十分に選択肢となるが、インターネット閲覧に限らず大画面で映画を楽しんだり、ゲームで遊んだりするような人は固定回線を申し込んだ方がいいということだ。

ヘビーユーザー=パソコンを活用すると連想してしまいがちだが、インターネットの使い方は以前にも増して多様化しているのだ。
現代の生活では、パソコンを使っていなくても、インターネットは長時間にわたり使っている。本人は活用しているつもりがなくても活用している、そう言えるのが現在のインターネットなのだ。

だからこそ、これからの新生活はもちろん、今までの生活で「どんなときにインターネットを利用しているか」を考える必要がある。

その使い方に対し自分はヘビーユーザーだと感じる場合は固定回線を申し込むことをオススメしたい。


執筆 迎 悟