サラリーマンでありながら1000人を超えるオンラインサロンを主宰し、手がけた書籍は軒並みベストセラー。最近ではワイドショーのコメンテーターや音楽活動にまで活躍の場を広げ、もはや理解不能なレベルで進化を続ける幻冬舎のスター編集者・箕輪厚介さん。

ここ数年で突如としてブレイクした箕輪さんの稼ぎやお金の価値観…気になりますよね?

取材直前に自ら年商を公表していて拍子抜けしてしまいましたが、まだまだ聞きたいことはたくさんあります。

自慢することも謙遜することもなく、お金についてオープンに話してくれたインタビューをご覧ください!

〈聞き手=渡辺将基(新R25編集長)〉


箕輪厚介(みのわ・こうすけ)】2010年に双葉社に入社。ファッション雑誌の広告営業としてタイアップや商品開発、『ネオヒルズジャパン(与沢翼)』の創刊などをおこなう。2014年より編集部に異動し、『たった一人の熱狂(見城徹)』『逆転の仕事論(堀江貴文)』などを担当。2015年幻冬舎に入社した後、NewsPicks Book編集長として『多動力(堀江貴文)』『お金2.0(佐藤航陽)』『メモの魔力(前田裕二)』などの話題作を生み出しつづけている

箕輪さんっていくら稼いでるんですか?



渡辺:
この連載ではいつもはじめにどれだけ稼いでるのか聞いてるんですけど、自らTwitterで明かしてましたね。

箕輪さん:
ちょうど昨日ツイートしました(笑)。

有限会社と書いてますが、合同会社の間違いらしいです(笑)

渡辺:
年商で1.3億円。

箕輪さん:
うん。

渡辺:
節税対策で個人会社をつくってると思うんですけど、会社の年商は箕輪厚介」としての活動から得た収益がすべてですよね?

箕輪さん:
そう。芸人の個人事務所みたいな感じ。

月の売上が1000万くらいだけど、そこから役員報酬で50〜60万くらい取って、あとは会社にプールしてます。

渡辺:
売上の内訳をざっくり聞きたいんですけど、やはりオンラインサロン(箕輪編集室)が大きいですか?

箕輪さん:
うん。サロンが半分くらいですかね。



渡辺:
残り半分は?

箕輪さん:
講演料とか、けっこう高いですね。

あとはちょこちょこテレビに出てギャラもらったり、新R25の広告に出たり(笑)。

渡辺:
ウチもお世話になってます(笑)。

ちなみに、講演料ってどれくらいなんですか?

箕輪さん:
1本100万くらい。


え…

渡辺:
100万!?

箕輪さん:
企業向けの講演とか、なんちゃら会議所の講演とか、おじさんの前で話すときは基本100万ですね(笑)。

1時間しゃべって100万だから、時給換算したら(講演が)一番いい。

それが月2〜3本入ると、それだけで200〜300万になりますね。

渡辺:
すご…

でも箕輪さんぐらいの知名度と影響力を持ったら、その金額でも納得感ありますね。


いやウソつきました。納得できない。高いです

箕輪さん:
そんな感じで、月商は少ないときで700〜800万、高いときで1500万を超えるぐらいですかね。

オンラインサロンを開設し、手取り30万から一気に収入アップ

渡辺:
いまは月1000万円も稼いでる箕輪さんですけど、2〜3年前までごく普通のサラリーマンだったことを知らない人も多いんじゃないかなと。

箕輪さん:
月の手取りが30万くらいでしたからね。

渡辺:
額面で40万くらいだとしても…いまの20分の1以下じゃないですか。

箕輪さん:
当時すでに家族もいて奥さんも働いてなかったので、(家賃が高くて)都心には住めなかったんですよね。

それで小手指(埼玉)に住んでたんですけど、西武池袋線の通勤が本当にツラくて。

会社まで遠いし、みんな電車で咳してるじゃないですか。


「偏見・オブ・ザ・イヤー2020」ノミネート

箕輪さん:
結局、やっぱりこの生活続けてくの無理だわと思って。

ただ、当時メディアにコラムを寄稿したりしてちょいちょい副収入があったんで、「これ、ガッツリ営業したら月10万くらいはいくんじゃない?」とは思ってたんですよね。

渡辺:
なるほど。

箕輪さん:
それに加えて、当時は個人で名を立たせたい、箕輪という名前で稼ぎたいとも思ってたから、自分を追い込む意味でも東京に行こうと。

渡辺:
そしたらすぐにサロンでドカン!とブレイクしましたよね。

『多動力』を出したすぐあとくらい?

箕輪さん:
そう。あれはびっくりしました。

立ち上げたら、いきなり30人くらいの枠が一気に埋まって

当時は机の上の小銭かき集めてチューハイ買うような生活してたから月2〜3万円でも超でかいと思ってたのに、月5000円で30人だから…15万!? マジ?ちょい待てよ、みたいな。


当時を思い出して興奮する等身大の箕輪さん

渡辺:
給料が手取り30万のときに15万の副収入はでかいですね。

箕輪さん:
でかい。しかも、それから枠を増やしたらまたすぐ埋まったんですよね。

当時はしょっちゅうATMで銀行の残高を確認するような生活をしてたんですけど、ある日いきなり口座に40万とか入ってきて、「会社の月給超えてんじゃん! これはすげえ」って思ったのを覚えてますね。



渡辺:
それは浮き足立ちますね(笑)。

当時、サロン以外にも何かやってたことありましたっけ?

箕輪さん:
コンサルを始めたのもそのときですね。

「月5万でコンサルします!」って言ったら、10社くらいから連絡来たんですよ。もうそれで50万じゃないですか。

まわりからは安いって言われたんですけど、当時はピュアだったから「俺が1時間話して5万ももらっていいの?」って思ってました。

いまは「30万以下はありえないでしょ」って言ってますけど(笑)。


成金みたいな服でこの発言。「調子に乗っている」以外の形容詞が思い浮かばない

「面白い本をつくる」より「面白く売りたい」。規格外のお金の集め方

渡辺:
そこからの大活躍はいまさら紹介するまでもないですけど、箕輪さんのお金の集め方って、人の金銭感覚をバグらせていると思うんですよね。

箕輪さん:
バグらせてる?



渡辺:
「これまでにないような価値を創造してる」と言ったほうが正しいですかね。

たとえば、ただ財布をなくしたって言って5万円くらい集めたり…



渡辺:
トイレサンダルみたいなものにプレミア価値をつけて、10万以上で売ったり…



渡辺:
本にクラウドファンディング的な要素を掛け合わせて、1億円以上集めたり…



渡辺:
もう、ちょっとワケがわからないなと。

箕輪さん:
たしかに、自分でも謎に集金する力はあると思います(笑)。



渡辺:
自分で分析して、なぜこんなことができてると思います? ファンビジネスとも違いますよね。

箕輪さん:
これって、お金を介したコミュニケーションだと思うんですよね。

俺や著者とのコミュニケーションにお金を払ってるというか。

渡辺:
なるほど。コミュニケーション。

箕輪さん:
あと、最近は「面白い本をつくること」「本を面白く売ること」が、お客さんにとって同じくらい価値のあることになってる気がします。

むしろ、マーケティングとかマネタイズのほうがコンテンツより面白い。



箕輪さん:
西野(亮廣)さんがやった絵本の無料公開も、その行為自身が絵本の内容と同じくらいお客さんを楽しませてましたよね。

俺とか西野さんはそれを面白がってやっていて、その結果としてお金が集まってきてるんじゃないかなと。

渡辺:
最近よく言われる「ストーリーを売る」みたいな発想ですよね。

箕輪さん:
そう。

ただ、これって儲けたいとかお金の集めかたをハックしたいと思ってるわけじゃなくて、純粋に自分が面白いことをやろうとすると、自然とマネタイズとかプロモーションのほうに考えが及ぶって感じなんですよね。



箕輪さん:
最近は本の内容を突き詰めてるときよりも、「本を原価で売って、利益は後払いで回収したい」みたいなアイデアを考えてるときのほうがアドレナリンが出ます。

箕輪流・人を動かすコミュニケーションの秘訣とは?

渡辺:
さっき「コミュニケーション」っていうキーワードが出たので、ちょっとそれに関連する話を。

僕が最初に箕輪さんに会ったのは4年前くらいだったと思うんですけど、正直そのときはここまでブレイクするとは思ってなかったんですよね。

飄々としていて頭のキレる人だなとは思ってましたけど、“変わり者のいち編集者”というイメージで。


当時の箕輪さん。いまとちょっと印象が違います

渡辺:
でも、そんな箕輪さんがなぜここまでスケールアップできたのかと言われたら、それはコミュニケーションに強かったからじゃないかなと。

要は、人を巻き込む力。

箕輪さん:
それはそうかも。

まわりに人が増えていかないとビジネスを大きくできないですからね。

渡辺:
内にこもってるタイプの編集者だと、なかなかこうはなれないと思います。

箕輪さん:
まさに。

いろんな人を巻き込むことでいい意味で自分に余白ができて、懐が深くなったような気がします。



渡辺:
箕輪流の「人を巻き込むコミュニケーションの秘訣」を教えてほしいです。

箕輪さん:
難しいですけど…

ひとつ確実に言えるのは「相手を当事者にする」ってことですね。

渡辺:
どうやって当事者にするんですか?

箕輪さん:
たとえば本をつくるときも、俺がいきなり「こういうタイトルでいきましょう」って決めたり、「こういうスケジュールで行きたいんでここまでにこれやってください」みたいに管理したりしても、著者は前のめりにはならない。

それだと、お互いのベクトルが同じ方向を向いてなくて、ぶつかってる感じなんですよね。プッシュする営業マンと牽制するクライアントみたいな構図。


「これじゃダメで、2つのベクトルを同じ向きにしないといけないんです」

箕輪さん:
『THE TEAM』をつくってたときなんて、著者の麻野(耕司)さんが俺を追いかけて「打ち合わせしましょう!」って言ってくる感じでしたからね(笑)。

渡辺:
箕輪さん、本の発売直後に「出版おめでとうございます」って麻野さんに言ってましたよ。「売れてよかったですね」って。

他人事すぎません?(笑)

箕輪さん:
ハハハハハ!(笑)


完成したあとに「この本おもしろいんですか?」って本人に聞いたそうです

箕輪さん:
でもプレッシャーを与えつづけると、向こうは「なんでクソ忙しい本業の合間に本を書かなきゃいけないんだよ」って思っちゃいますからね。

むしろ、ちょっと不安に感じるくらいのほうが自分ごとになっていく

麻野さんのケースは極端な例ですけど、本をつくるときもコミュニティ運営でも、「その人らしく相手を前のめりにさせる」ってことは意識してますね。

渡辺:
なるほど…けっして簡単ではなさそうですけど、納得感あります。

ちなみに箕輪さんから見て、「この人も相手を当事者にするのがうまいな」って人います?


「それでいうと…」

箕輪さん:
藤田(晋)さんは町田(ゼルビア)のときの対応を見て、ホント天才だと思いました。

渡辺:
(自身がオーナーを務めている)FC町田ゼルビアのチーム名を変えようとしたけど、サポーターからの反対が殺到して保留にした件ですよね?

出典 Youtube

箕輪さん:
そう。あれ、意識的にやったのかはわからないけど、あの場で議論を紛糾させて結論を持ち帰ることによって、あの場にいた全員が当事者になりましたよね。

渡辺:
どういうことですか?

箕輪さん:
藤田さん、「チームのために自分は改名すべきだと思うけど、(反対する人が多いので)今回は無理でしたね」って言っていきなり帰っちゃったじゃないですか。



渡辺:
そうですね。

箕輪さん:
あれでサポーターは「ええっ!?」ってなって、その瞬間からチームがどうすべきかを自分で考えはじめるんですよ。ただの甘えていたファンじゃなくなる。

はじめはオーナーとファンが喧嘩してる構図だったんだけど、あれで風向きが変わりましたよね。

渡辺:
なるほど…そういう見方をしてたんですね。

正しく努力して、掛け算の“軸”をつくれ

渡辺:
箕輪さんはいま、いろんな動きが掛け算的につながる“確変タイム”に入っていると思うんですけど、以前「キャリアの掛け算を考える前に、まずは何かひとつで突き抜けなきゃいけない」という話をしてましたよね?

あれ、ホントその通りだなと思ったんですよね。箕輪さんの場合は、それが「編集」で。



箕輪さん:
そうですね。なんの実績もないけど「とりあえず会ってください!」みたいにDM送ってくるヤツとか見てると、俺ってちゃんとしてるなって思いますもん(笑)。

ちゃんと大学出てるし、会社に入ってヒットも出してるし。

渡辺:
やることやってますね(笑)。

箕輪さん:
数字で語れる実績がない状態で掛け算しようと思っても無理ですよ。

渡辺:
「掛ける対象がない」ってことですよね。

箕輪さん:
まさに。ゼロに何を掛けたって永遠にゼロだから。



箕輪さん:
でも、自分が『死ぬカス』なんかで「考える前に飛べ!」とか言いすぎたことで、そういう無謀なDMを送ってくるヤツが増えてるんですよね。

だから最近は「よく考えて、よく動け」っていう、小学校の標語みたいなこと言ってる(笑)。


刺さらないけど正しい主張

渡辺:
でも、じゃあどうすればその掛け算の“軸”がつくれるのかという話ですけど、箕輪さんいわく、「ビジネスの世界はスポーツと違って、死ぬ気でやってるヤツが少ない」と。

箕輪さん:
うん。いまの日本なら、1年間本気で自分の本業をやれば誰だって突き抜けられると思う。

年収1000万以下の人たちとの勝負だったら、1年間鬼のように頑張れば勝てるでしょ。そう思いません?

渡辺:
どうなんでしょう?(笑)

箕輪さん:
ただ間違っちゃいけないのは、「寝ないで1年間、死ぬほど頑張ったんですけど…」というだけではダメ。

やっぱり自分で仕事のハンドルを握って、考えて動かないと。

渡辺:
なるほど。

箕輪さん:
自分がやっていることに対する明確な目的と、考え尽くされた戦略が必要ですよ。

そしてうまくいかなければ、それを柔軟に変えつづけないといけない。


「…あれ、そう考えるとけっこう難しいかも?(笑)」

渡辺:
でも、そこをちゃんと考えたうえで死ぬ気でやらないと、消耗してしまいますよね。

箕輪さん:
そうそう。前田裕二が言ってたことだけど、努力というのは「見極めてやりきる」ってことだから。

渡辺:
見極めて、やりきる。なるほど…!

稼げる人になるための「ブランド」のつくりかた

渡辺:
これが最後の質問です。

箕輪さんが考える「稼げる人になるために大切なこと」ってなんだと思いますか?

箕輪さん:
うーん、そうだな…



箕輪さん:
やっぱり、「自分のブランドをつくる」ってことですよね。

そのためには…

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出典 Youtube

〈取材・文=渡辺将基(@mw19830720)/撮影=福田啄也(@@fkd1111)〉