映画『his』完成披露イベントが8日、都内・スペースFS汐留にて行われ、宮沢氷魚、藤原季節、外村紗玖良、監督の今泉力哉が登壇した。

宮沢氷魚が演じるのは、周囲にゲイだと知られることを恐れ、東京からひとり、田舎にやってきた主人公・井川迅。迅が恋焦がれる日比野渚役に藤原季節。ゲイであることを隠しながら女性と結婚し、家事に子育てにと励むイクメンを演じる。監督を、『パンとバスと2度目のハツコイ』『愛がなんだ』などで知られる今泉力哉が務める。

新年にふさわしく、宮沢&藤原は袴姿、外村は振袖姿で登場し会場を沸かせる。今年の抱負を聞かれた宮沢は「オリンピックの競技を生で見たい!マラソンとか見れるんですかね?」とコメント。今泉監督が「マラソンは北海道だよ」と言うと、宮沢は「あ!そっか!じゃあ違う競技で(笑)」と天然ぶりをのぞかせた。イベントでは、9日に誕生日を迎える外村にサプライズで、藤原が提案したバースデーソングのプレゼントがあるなど、仲睦まじい様子だった。

ナチュラルで繊細な心理描写で様々な恋愛のかたちを切り取ってきた今泉監督が、初めて男性同士の恋愛を題材に、迅と渚の同性カップルが親権獲得や周りの人々への理解を求めて奮闘する姿を描く本作。今泉監督は「同性愛の話ではありますが、人と人との恋愛を撮りました。嫌な人を登場させて物語を作ることは簡単ですが、誰も悪い人がいない話、みんなどこか弱さをもった人たちの話だと思ったので、自分がやらなければと思い(映画化を)引き受けました。知らないこともいっぱいあったので非常に勉強になりました」と明かした。

同性愛者を演じた宮沢は「もともとLGBTを題材とした作品に出たいと思っていた。幼稚園から高校まで男子校だったので、周りにいたんですよね。僕からしたらそれが当たり前だったのですが、社会に出てみたら差別・偏見のある毎日で。何らかの形でそういった方々の救いになりたいとずっと思っていた。今回、迅という役を演じることができてとても光栄だと思っています」と胸中を明かした。

撮影期間中、実際に共同生活を送ったという宮沢&藤原の2人。藤原は「超濃密な10日間!」と笑みをこぼし、宮沢は「最初は嫌でした(笑)朝から晩まで一緒にいて、寝る時くらいは自分の時間が欲しいなと思っていたんですが、1人になると不安になるくらい大変で。だから…ありがとね」と感謝を伝える。藤原は「唐突〜(笑)」と照れ笑いを浮かべていた。

また、宮沢は「役者としての初キスシーン、ファーストキスが藤原季節なんです」と告白。藤原は初めてのシスシーンではなかったようで、宮沢は「ちなみに何人目?」「ちょっとショック…」と問う一幕もあった。放送・公開順として、ドラマ「偽装不倫」にて杏とのキスシーンはあったが、映画『his』の方が先に撮影していたという。イベントの最後には、ステージ上で餅つきを敢行するなど、終始和気あいあいとしたイベントとなった。

映画『his』は2020年1月24日(金)より新宿武蔵野館ほか全国ロードショー

(C)2020 映画「his」製作委員会

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