神戸はFW藤本の2得点に絡む活躍で天皇杯を制覇【写真:高橋学】

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藤本がオウンゴールを誘発する動きで先制点をもたらし、追加点もマーク

 改装された国立競技場における日本サッカーの新年初試合、天皇杯決勝が1日にヴィッセル神戸と鹿島アントラーズによって行われ、神戸が前半の2得点を生かして2-0で勝利。

 クラブの初タイトルを獲得した。

 2014年の元日以来となる国立での元日決戦に、クラブ初タイトルを狙う神戸は元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタや元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキがスタメン出場。このゲームが現役ラストゲームになる元スペイン代表FWダビド・ビジャはベンチスタートになった。一方の鹿島は今季限りの退任が決まっている大岩剛監督のラストゲームに、リーグ戦と同様に伝統の4-4-2システムで臨んだ。

 立ち上がりこそ鹿島が圧力を掛けたものの、ゲームは次第に神戸がボール保持率を高める展開になった。そのなかで前半10分にはイニエスタが素早く始めたフリーキックをMF西大伍がゴール前につなぎ、FW古橋享悟が狙ったがわずかに枠外。続く同13分には右サイドを切り崩した古橋のラストパスをFW藤本憲明が狙ったが、これも枠外に外れた。

 しかし、神戸はそのペースのまま先制点を奪った。前半18分、左サイドからMF酒井高徳が切り込むと、ポドルスキがフォロー。ペナルティーエリア内のゴールライン際からポドルスキが中央に返したボールを鹿島GKクォン・スンテが弾き、混戦のなかで弾き返されて鹿島ゴールへ転がり込んだ。当初は藤本のゴールとアナウンスがされたが、後に鹿島DF犬飼智也のオウンゴールへ訂正。これが“新・国立競技場”のファーストゴールとなり、神戸が1-0のリードを奪った。

 その後、鹿島は前半26分にセットプレーのこぼれ球をFWセルジーニョがジャンピングボレーで狙ったが枠外。逆に神戸も同28分にイニエスタのパスを受けた酒井が折り返したボールをポドルスキが押し込んだが、酒井へのパスが通った時点でオフサイドという判定で追加点にはならなかった。

 そして前半38分、神戸は西が右サイドからゴール前に低いボールを送ると、犬飼がクリアできずに背後にボールをこぼしてしまい、それを藤本が難なく押し込んで2点目。大きな追加点を得て神戸が2-0とリードしてハーフタイムを迎えた。

 後半から鹿島はMF土居聖真を投入。全体にプレスの圧力を高め、神戸を押し込む展開になった。しかし、ゴール前への決定的な突破を見せる場面は生み出せず、ボールを持てども崩せないという時間が長く続いていった。

 結局、最後までゲームの展開は変わらず、現役ラストゲームのビジャは後半アディショナルタイムにポドルスキとの交代でピッチへ。チームはそのまま2-0で逃げ切り、タイトル獲得の瞬間を味わい、有終の美を飾った。神戸はクラブ初タイトルとなる天皇杯優勝を飾り、来季のAFCチャンピオンズリーグ本戦からの出場権も手に入れた。(Football ZONE web編集部)