セレナ、あのことを後悔し大坂なおみに手紙を送っていた
2018年「全米オープン」で大坂なおみ(日本/日清食品)が日本人として初めてグランドスラム優勝を遂げたことは日本を熱狂の渦に巻き込んだが、海外ではその決勝は対戦相手であったセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が主審ともめて逆上、表彰式は観客の主審に対するブーイングの嵐という異様な光景も、人々の記憶に残ることとなってしまった。
しかし、セレナは後に自分の行動を悔いて、大坂にお詫びの手紙を書いたことをある雑誌の中で明かしていた。ニュースサイトRT.comが伝えている。
セレナは主審のカルロス・ラモス氏に対して「嘘つき」「泥棒」などと言い放ったが、手紙では自分の感情的な暴言がもたらすメディアへの影響に考えが至らなかった、と述べている。「コートの上でも言ったように、私はあなたのことを誇りに思っているわ、本当にごめんなさい。あの時、私は自分を守るために正しいことをしていると思っていた。でもメディアが私たち2人を敵同士にしてしまうとは、全然思いつかなかった。あの時に戻ってやり直せたらどんなに素晴らしいかと思うわ」
「私は今も、以前も、これからも、ずっとあなたのために嬉しく思っているし、応援しているわ。他の女性から栄光を奪うなんてことは、絶対にしたくない。特に、私と同じ黒人の血を持つ女性アスリートからは。あなたの将来をとても楽しみにしているの。そして、信じて欲しい。私がファンの一人としてずっとあなたに注目しているということを!あなたの成功をいつも祈ってる。重ねて言うわ、あなたをとても誇りに思っています。愛をこめて。あなたのファン、セレナより」
セレナはさらに付け加えた。「(私が嫌なのは)自分が反感を買うことをしてしまったことではなく、若い女性の特別な瞬間を壊してしまったことなの。あの後、セラピストと会うようにしたわ。そして気がついたの、私が前に進むためにすることは一つしかないと。それは、最も謝罪を受けるに値する人にきちんと謝ることだった」
大坂は、セレナの謝罪にこう返事をしたという。「人は、時に怒りを強さと取り違えるものです。その二つの違いを理解できずに。あなたのように自分たちのために立ち上がって道を切り開いてきた人はいない。これからもそれを続けてください」
(テニスデイリー編集部)
※写真は2018年「全米オープン」試合後に抱き合う大坂(右)とセレナ(左)
(Photo by Matthew Stockman/Getty Images)