葛飾北斎「富嶽三十六景」がまさかの立体化! 話題アートに込めたこだわり、作者に詳しく聞いた
日本が世界に誇る浮世絵師・葛飾北斎の代表作を、手のひらサイズで立体化した力作が、ツイッターで注目を集めている。
富嶽三十六景 神奈川沖浪裏を立体化しました。#レジン pic.twitter.com/KG3Nukzl4C
— Jade@いきもにあ2019 (@jad_ko) November 15, 2019
こちらはツイッターユーザーのJade(@jad_ko)さんの2019年11月15日の投稿。ハンドメイド雑貨などの材料で使われるレジン(樹脂)を使って、北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)」を立体化した作品を紹介している。
荒れ狂う海で波が押し寄せてくる瞬間を捉えたこちら。立体化されたことで、より臨場感あふれる仕上がりとなっている。水しぶきまで忠実に再現されており、いざ作品を目の前にしたら様々な角度から楽しめる作品に惚れ惚れとしてしまいそうだ。
ツイッターでは、
「北斎もビックリ!」
「素晴らしすぎて意味不明(褒め言葉)」
「衝撃的でドキドキしちゃいました 最高です」
と、あまりの完成度の高さに感銘を受けている人が多いようだ。
Jade(@jad_ko)さんのツイートより
製作期間はたったの2週間!
Jade(@jad_ko)さんのツイートより
作者のJadeさんは18年にもレジンで東映映画のオープニングを再現して、話題になった。岩場に打ち寄せる荒波が見事に表現され、絶賛の声が上がった。
レジンで東映さんのオープニングができた!先週からちまちま作ってたらクリスマスが終わっていました( ) pic.twitter.com/b07bDOQoHh
— Jade@いきもにあ2019 (@jad_ko) December 26, 2018
Jタウンネット編集部が今回の北斎作品についてJadeさんに話を聞くと、
「昨年末に作った東映のオープニング波作品がとても人気になった後に、また平面を立体化する作品を作るなら次は北斎の波かなと考えておりました」
と説明。今回の作品はアートイベントでの出展に合せて2週間ほどで一気に仕上げたとのことで、驚きだ。制作の過程はツイッターでも紹介している。
過程をどうぞ pic.twitter.com/MwcCRaYgog
— Jade@いきもにあ2019 (@jad_ko) November 18, 2019
Jadeさんによれば、波の部分は先に波の大体の形を油粘土で整形した後、シリコンで型取り、レジン流し込みの順に制作したそう。
出来上がった波に、あらかじめ作っておいた船をセットして白波を盛り付けた後、正面を上に横倒しにした状態で透明なレジンを何回かに分けて流し込み、仕上げていくのだという。
平面画を立体化するにあたっては、正面から見た時の雲や富士山などの奥の見え方には苦労したとのこと。この点については、まだJadeさん自身も納得がいっていないそうで、「修正してまた作りたい」と意気込んだ。
もともとハンドメイドの材料は「プラ板」という透明なプラスチックの板を使って作品を作っていたJadeさん。もっと立体的な作品を作りたくなり、より自由度の高いレジンを使った作品作りにハマっていったのだそうだ。
Jade(@jad_ko)さんのツイートより
今回再度ネット上で話題になったことを受けて、
「東映の人だ!と言われて1年前の作品を覚えていただいていたのが嬉しかったです。今後も作りたいと思ったものを作ることで趣味を楽しんでいきたいと思います」
とした。
次は11月30日、12月1日に神戸サンボーホールにて開催される「いきもにあ2019」への出展を予定しているJadeさん(今回の作品は非展示)。今後の作品を楽しみにしたい。