粉チーズは戦地でも傷まない食材として開発された経緯を持つなど、食べ物は歴史と深く結び付いているもの。スイスには「戦争を止めたスープ」が存在し、今なお平和の象徴となっています。

How This Soup Stopped a War - YouTube

あるとき、2つの集団が今にも戦争を起こしかねない状態になりました。





しかし、その時「力のある存在」が臨戦状態の人々を鎮めることに成功しました。



この「力のある存在」とは、実は一杯のスープでした。



物語の舞台はスイスにあるカッペルという地域。伝説のスープはおよそ5世紀前にカッペルで生まれました。



バーゼル大学の歴史学者であるGeorg Kreis氏によると、伝説のスープは「ミルクスープ」とのこと。



1529年、カッペルでカトリックとプロテスタントの2派が対立するようになりました。両グループのリーダーたちは交渉を行っていたのですが……



その間、立って向かい合っていた両派の歩兵たちはだんだん仲良くなってしまったそうです。



そして疲れて空腹になった歩兵たちは、カトリックとプロテスタントという区別なく、一緒に食事を始めたとのこと。カトリックの歩兵たちはミルクを、プロテスタントの歩兵たちはパンを持ちだし……



伝説のミルクスープを作り出しました。これにより戦いは中断し、休戦が結ばれたそうです。



カッペルには戦いの記念碑が立てられており……



石碑には「カッペルのミルクスープ」と刻まれています。ミルクスープは現代でも平和の象徴として捉えられているとのこと。



場所は変わってキッチンでスープを作る人物が映し出されます。



味見をしているのは……



レストランを経営するRobert Habeggerさん。



Habeggerさんのレストランはこんな感じ。



「誰かと言い争うことになった時でも、スープを飲むと争いは終わり、再び平和が訪れます」と語るHabeggerさん。



お皿に注がれるスープはとろっとしたチーズっぽい感じ。



ミルクスープを「ピースメーカーのスープ」と呼ぶ人もいるとのことです。



Habeggerさんのミルクスープは現代風にアレンジされており、ミルクとパンはもちろんのこと……



バターや……



玉ねぎ、セイヨウネギ、クリーム、野菜のだし汁、塩コショウが使われています。



チーズフォンデュのようにクリーミーですが、チーズフォンデュよりは軽い、とHabeggerさんは語ります。



次に争いが勃発した時には、「一緒にミルクスープを飲む」というのも解決策になりえるのかも。