映画『天気の子』製作報告会見が2日、都内・東京ミッドタウンホールにて行われ、監督の新海誠をはじめ、醍醐虎汰朗、森七菜、本田翼、RADWIMPS(野田洋次郎、桑原彰、武田祐介)、プロデューサーの川村元気が登壇した。

前作『君の名は。』(2016年)から約3年ぶりとなる新海誠監督の新作『天気の子』は、天候の調和が狂っていく時代に、運命に翻弄される少年と少女が自らの生き方を「選択」する物語。東京にやってきた家出少年・帆高が出会った、不思議な力を持つ少女・陽菜。ふたりの恋の物語は、美しく、切なく、新たな時代を迎えるあらゆる世代、そして全世界へのメッセージとして描かれる。

帆高役を醍醐虎汰朗が、陽菜役を森七菜がそれぞれ演じるほか、小さな編集プロダクションを営むライター・須賀圭介役に小栗旬、須賀の事務所で働き、持ち前の好奇心と探求心で取材に奔走する女子大生・夏美に本田翼が声を当てる。

野田が「シビれる状態を過ごしています」と話すように、7月19日(金)の公開に向け絶賛製作中の本作。進捗を聞かれると、新海監督は「とても良い状態のフィルムになっています。ギリギリまで制作できることは普段許させることではなく、『君の名は。』という作品があったから。たくさん方に観てもらえたからこそいただけた状況でもあるので、前作に助けてもらえてるなという気がします」とコメントした。

2000人を超える大規模オーディションを経て、主役の2人に抜擢された醍醐と森。新海監督は「すごく応援したくなる少年・少女だと思っていただけるんじゃないか。2人の声は、オーデションの時『私を見て』と手を挙げているように思えた。この作品のために、2人がこの場所・このタイミングに居てくれた」と運命的な出会いだったことを明かす。

醍醐は「監督である新海さんにそう言っていただけて、幸せだなと思います」と喜び。森も「嬉しいです。新海さんはアフレコの時も演出をつけてくださる時も、優しい言葉で言ってくださる。なので(演じる役に)優しさに包まれた声が出ているといいなぁと思います」と笑みをこぼした。

新海組初参加となる本田は「新海監督の作品はアニメーションなのに“空気”まで感じる。新海作品に出られたこと、本当に嬉しく思います」と喜びをあらわに。続けて、「監督に『最初に聞いた声がとても好きです』とおっしゃっていただいたので、自分の自然体な部分を大事に演じました」とコメント。アフレコには裸足&すっぴんで挑んでいたことを明かされ、照れ笑いを浮かべていた。新海監督は「僕が予想もしないアクセントや言い方ばかりで、すごく楽しいです!ものすごく素敵でした」と絶賛した。

空や雨など、美しく繊細に描かれた新海ワールドに、2016年に社会現象を巻き起こした『君の名は。』に続き、RADWIMPSの詩(うた)とメロディーが彩りを加える。映画の大切なシーンでRADWIMPSが書き下ろした5曲の主題歌、26曲の劇伴音楽が使われる。

新海監督との再タッグに、野田は「前作より、より深く結びつきをもってやらせていただいた。すごく攻めてて新海節を発揮してて。『賛否を巻き起こすんだろうな、この物語は』と思い、余計、新海誠さんという人のことが好きになりました。自分のやりたいものに対してものすごい正直なんだと。すごく驚かされたのと、嬉しかったです。この作品を通して、僕が出せるもの全て渡そうと思った」と明かす。続けて、「(新海監督に)一番最初に『今回が最後だという気持ちでやります』と言いました。そうじゃないと乗り切れる気がしなくて。完成に近づいて振り返ると、楽しかった。最後とは言いましたけど、いつかまた」と告白した。

新海監督は「この1年半、RADWIMPSさんのことが、野田洋次郎さんのことがものすごく好きになっていく時間だった。今でもずっと遠い星で輝いている人たち。でも、『天気の子』をやったことで、少しだけ友達に近くなれた」と信頼関係をのぞかせた。

『君の名は。』で聖地巡礼という一大ムーブメントを巻き起こしたが、今作でのロケーションについて聞かれると、新海監督は「ひとつ言えるのは、帆高が家出少年として東京に来て、東京を発見していく物語。東京と同時に陽菜も発見していきます。実在のロケーションと架空のものをミックスしています。路地裏から観光スポットのようなところまで。少し違う輝き方をしているように魅せられるよう考えながら描いています」と明かした。

『君の名は。』は世界135の国と地域で配給され、海外興行収入は合計150億円を記録。『天気の子』は、本日時点で『君の名は。』を超える全世界140の国と地域に向けた配給が決定しており、東宝配給作品としては、公開前での規模として過去最大の数となる。

映画『天気の子』は7月19日(金)より全国東宝系にて公開

(C)2019「天気の子」製作委員会

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