自分らしく生きたいすべての女性必見。乳がんを乗り越えたひとりの女性に密着取材
◆自分らしく生きたいすべての女性必見。乳がんを乗り越えたひとりの女性に密着取材
女性なら誰しも無縁ではない病気、乳がん。現代では11人に1人(※)は罹患するともいわれている。サバイバーの1人であり、現在は自分の夢をかなえ、毎日を楽しみながら生きているひとりの女性に、その体験と、心や生活の変化、そして自分らしい生き方について話をうかがった。(※国立がん研究センター最新がん統計/2016年8月2日更新)
プロフィール
金丸香子(かねまるきょうこ)
武蔵野美術大学卒業後、広告制作会社にてグラフィックデザイナーとして勤務。2012年7月乳がんが発見され、その年9月に手術。その後結婚、2015年に会社を休職し、語学留学へ。
帰国後夫婦でゲストハウスを始め、フラダンスの教室もスタート。現在、小田急線・経堂駅で「フラスタジオ アロハホヌア」を運営するほか、乳がん体験者の会「KSHS」でのボランティア活動でも活躍。
◆自分らしく生きたいすべての女性に。ある女性の体験と今
突然の乳がん発見。手術で乗り越えた後、より人生は充実した輝くものに
広告プロダクションで多忙な日々を過ごしていた金丸香子さん。41歳のとき、突然乳がんが発覚した。
大きなショックを受けながらも治療を開始し、2カ月後手術で全摘出。同時に乳房の再建手術も受けた。術後の経過もよく、見た目にも全く問題なく回復できたという。
「ステージが低かったのでラッキーでしたが、命を初めて意識しました。だからかな、やりたいことはどんどんやってみようと思うようになりました。今までは後回しにしていたことも、時間をムダにせずやろうと。結婚も以前だったら踏み切れてないかもしれませんね」と明るく笑う香子さん。その笑顔ははつらつとしながらもゆるやかな自然体で、会う人をホッとさせてくれる。
手術後に、再会した現在の旦那さまと結婚し、ストレスの多かった会社も退職。念願だったフラダンスの教室を開き、大好きなフラを楽しみながら教える毎日を過ごす。その姿は病気の影など一切感じさせず、生き生きと輝いている。
がんが発覚したときはとてもつらい。そんなときこそ、閉じこもらず、人と話した
回復し、今ではパワフルに毎日を楽しんでいる香子さんだが、乳がんが発覚したときには、やはり相当なショックだったという。
「病気について無知だったので、死ぬかもしれない怖い、という気持ちが大きくて毎日たくさん泣きました。インターネットでさまざまな情報を探したり、体験者のブログを読んで大泣きしたり…」。さまざまな情報が溢れているだけに、感情が振り回されたこともあったそう。
しかし同じく乳がん経験者の母と医師の先生の話を聞くうちに、死ぬことばかり考えるのではなく、現実的に考えられるようになっていった。「たとえばKSHSのような団体などではサバイバーのボランティアの方もたくさんいて、先輩の話を聞いたりできます。1人で悩んでばかりいると余計不安がつのるので、ほかの人の話を聞くことは力になります」。
サバイブしたからこそ、やりたかったことを実現。新たな世界にチャレンジできる自分に
つらい時期も乗り越え、回復した香子さん。
手術後におつきあいが始まったという旦那さまは、どう受け止めたの? 夫である健太郎さんにも話をうかがった。
「一緒にいようと心は決まっていたので、病気を知ったからといって何も変わらなかったですね。ただ乳がんについて男性は無知だなと痛感しました。今では少しずつ理解が深まり、KSHSなどで積極的に活動するサバイバーの女性たちはとても素敵だと思っています。彼女たちは生き生きしてて、むしろ普通の人より元気いっぱいですね(笑)」と夫の健太郎さん。
健太郎さんから見た香子さんも、以前よりも積極的に、新しい世界にチャレンジするようになったという。「不満を持ちつつなかなか辞められなかった会社を辞め、行きたかった語学留学へ行っちゃいました。英語コンプレックスもなくなり、夫婦で外国人も迎えるゲストハウスを始めたんですよ」と香子さん。
さらには長年の夢だったフラダンス教室もスタートした。理解ある夫と共に日課のランニングをしたり、心をこめてフラを踊ったり。香子さんの日々は、1日1日を楽しむ喜びにあふれている。
やりたい、だけでなく人の役にもたつことを。その思いが、前に進ませてくれるパワーに
病気ではなくても、自分のやりたいことができない、幸福感を感じられない、と悩む女性は多い。
「病気の後大きく変わったのは、自分がやりたいだけでなく、誰かの役にたっているかを考えるようになりました。ゲストハウスにしてもフラ教室にしても、ゲストや生徒さんの役に立ってるかな? って。自分らしく生きるには、自分のためだけにやるだけでは、なかなかうまくいかないのかなあと感じています。乳がんになってから、やりたいという気持ちだけでなく、人のためになっているかどうかも考えるようになったからこそ、少しずつ前に進めるようになったんじゃないかと思います」と、香子さんは笑顔で話す。
香子さんの教室では普通のクラス以外にも、KSHSのキレカプロジェクト「いのちのフラ」も開催。乳がん患者がリハビリを兼ねて気軽に参加できるクラスだ。再建したバストを収録したフォトカード「Re-bust」のモデルもつとめるなど、乳がん患者をサポートする活動も続けていく。「今度は夫と世界一周の旅にも出たいんです」と、目をキラキラさせて語る笑顔は、前向きなエナジーに満ちていた。
女性なら誰しも無縁ではない病気、乳がん。現代では11人に1人(※)は罹患するともいわれている。サバイバーの1人であり、現在は自分の夢をかなえ、毎日を楽しみながら生きているひとりの女性に、その体験と、心や生活の変化、そして自分らしい生き方について話をうかがった。(※国立がん研究センター最新がん統計/2016年8月2日更新)
金丸香子(かねまるきょうこ)
武蔵野美術大学卒業後、広告制作会社にてグラフィックデザイナーとして勤務。2012年7月乳がんが発見され、その年9月に手術。その後結婚、2015年に会社を休職し、語学留学へ。
帰国後夫婦でゲストハウスを始め、フラダンスの教室もスタート。現在、小田急線・経堂駅で「フラスタジオ アロハホヌア」を運営するほか、乳がん体験者の会「KSHS」でのボランティア活動でも活躍。
◆自分らしく生きたいすべての女性に。ある女性の体験と今
突然の乳がん発見。手術で乗り越えた後、より人生は充実した輝くものに
広告プロダクションで多忙な日々を過ごしていた金丸香子さん。41歳のとき、突然乳がんが発覚した。
大きなショックを受けながらも治療を開始し、2カ月後手術で全摘出。同時に乳房の再建手術も受けた。術後の経過もよく、見た目にも全く問題なく回復できたという。
「ステージが低かったのでラッキーでしたが、命を初めて意識しました。だからかな、やりたいことはどんどんやってみようと思うようになりました。今までは後回しにしていたことも、時間をムダにせずやろうと。結婚も以前だったら踏み切れてないかもしれませんね」と明るく笑う香子さん。その笑顔ははつらつとしながらもゆるやかな自然体で、会う人をホッとさせてくれる。
手術後に、再会した現在の旦那さまと結婚し、ストレスの多かった会社も退職。念願だったフラダンスの教室を開き、大好きなフラを楽しみながら教える毎日を過ごす。その姿は病気の影など一切感じさせず、生き生きと輝いている。
がんが発覚したときはとてもつらい。そんなときこそ、閉じこもらず、人と話した
回復し、今ではパワフルに毎日を楽しんでいる香子さんだが、乳がんが発覚したときには、やはり相当なショックだったという。
「病気について無知だったので、死ぬかもしれない怖い、という気持ちが大きくて毎日たくさん泣きました。インターネットでさまざまな情報を探したり、体験者のブログを読んで大泣きしたり…」。さまざまな情報が溢れているだけに、感情が振り回されたこともあったそう。
しかし同じく乳がん経験者の母と医師の先生の話を聞くうちに、死ぬことばかり考えるのではなく、現実的に考えられるようになっていった。「たとえばKSHSのような団体などではサバイバーのボランティアの方もたくさんいて、先輩の話を聞いたりできます。1人で悩んでばかりいると余計不安がつのるので、ほかの人の話を聞くことは力になります」。
サバイブしたからこそ、やりたかったことを実現。新たな世界にチャレンジできる自分に
つらい時期も乗り越え、回復した香子さん。
手術後におつきあいが始まったという旦那さまは、どう受け止めたの? 夫である健太郎さんにも話をうかがった。
「一緒にいようと心は決まっていたので、病気を知ったからといって何も変わらなかったですね。ただ乳がんについて男性は無知だなと痛感しました。今では少しずつ理解が深まり、KSHSなどで積極的に活動するサバイバーの女性たちはとても素敵だと思っています。彼女たちは生き生きしてて、むしろ普通の人より元気いっぱいですね(笑)」と夫の健太郎さん。
健太郎さんから見た香子さんも、以前よりも積極的に、新しい世界にチャレンジするようになったという。「不満を持ちつつなかなか辞められなかった会社を辞め、行きたかった語学留学へ行っちゃいました。英語コンプレックスもなくなり、夫婦で外国人も迎えるゲストハウスを始めたんですよ」と香子さん。
さらには長年の夢だったフラダンス教室もスタートした。理解ある夫と共に日課のランニングをしたり、心をこめてフラを踊ったり。香子さんの日々は、1日1日を楽しむ喜びにあふれている。
やりたい、だけでなく人の役にもたつことを。その思いが、前に進ませてくれるパワーに
病気ではなくても、自分のやりたいことができない、幸福感を感じられない、と悩む女性は多い。
「病気の後大きく変わったのは、自分がやりたいだけでなく、誰かの役にたっているかを考えるようになりました。ゲストハウスにしてもフラ教室にしても、ゲストや生徒さんの役に立ってるかな? って。自分らしく生きるには、自分のためだけにやるだけでは、なかなかうまくいかないのかなあと感じています。乳がんになってから、やりたいという気持ちだけでなく、人のためになっているかどうかも考えるようになったからこそ、少しずつ前に進めるようになったんじゃないかと思います」と、香子さんは笑顔で話す。
香子さんの教室では普通のクラス以外にも、KSHSのキレカプロジェクト「いのちのフラ」も開催。乳がん患者がリハビリを兼ねて気軽に参加できるクラスだ。再建したバストを収録したフォトカード「Re-bust」のモデルもつとめるなど、乳がん患者をサポートする活動も続けていく。「今度は夫と世界一周の旅にも出たいんです」と、目をキラキラさせて語る笑顔は、前向きなエナジーに満ちていた。