好きなオトコの子供なら、お金を払ってだって欲しい! 少々の悪さをしたって遺伝子くらい手に入れたいわ! あたしが産まなきゃ誰が産む、と力んじゃうのは私だけでしょうか?

 「バッファロー'66」や「ブラウン・バニー」など、独自の世界観で日本でも人気のあるあのヴィンセント・ギャロが自分の精子をNOW ON SALE−販売中という、なんとも刺激的なニュースが飛び込んできた。現在は削除されたのか見当たらないが、自身のオフィシャルグッズを扱う「VincentGallo Merchandise」というオフィシャルサイトでは、100万ドルを支払えばギャロの精子を買うことができる(但し、人工授精)。しかも! 追加で50万ドル支払えば、自然受精も可能。えぇ? ギャロとセックスできちゃうの!?

 ま、よくよく考えてみると約1億5000万だし、ギャロが購入者の写真をみて「フー! いかした女」と言わない限り5万ドルの追加料金をとられてしまうとか。エキセントリックでこだわりの強いギャロの遺伝子を手に入れるのはそう簡単なことではなさそう。

 それにしても生命の神秘というのは摩訶不思議。ギャロは自分の遺伝子の新たな可能性にかけて「自らの精子を売る」行為に出たのかもしれない。

 そもそも、精子って販売してるものなんだろうか? 世界の精子バンクを調べてみると、科学者やオリンピック選手の精子を専門とするマンハッタンの妊娠研究財団や、一流大学の学生が登録している「クリオ・バンク」など様々なものが存在し、日本に比べて利用者も多い。

 倫理的な問題などをふくめ賛否両論はあるのが正直なところだが、精子の情報が細かくわかり、「顔が見える」遺伝子選びができることが、年々利用者が増えている理由とか。ちなみに、利用は数百万円〜。日本でも、日本初の精子バンク「エクセレンス」を含めて、少しずつ増えてきているようだが、あくまでも不妊治療が目的。ギャロのように「おれの精子を買え〜!」と叫ぶ芸術家はごくまれということか。

 自然受精をせずとも、彼の遺伝子を受け継ぎたい!という気持ちは、なんだかプラトニックなような気がする反面、愛も遺伝子もお金で買えちゃう世の中なのかも、と思ったり、少々フクザツ・・・。(押木真弓/verb)