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「レジ横フード」を使って自分で作る出来たてハンバーガー

この5月から、ファミリーマートが首都圏の約50店舗でテスト販売する「ファミバーガー」。これは、レジ横のホットスナックを具材に使って、客が自分で仕上げるセルフ式のハンバーガーだ。レジで注文すると、店員が冷凍のパンを電子レンジで温め、レジ横の具材と専用ソースを添えて提供。あとは客自身がパンに具材をはさみ、専用ソースをかけて完成させる。つまり、ホカホカの出来たてバーガーが自分で手軽に作れるというわけだ。

ファミバーガーのラインナップは、ファミチキ(骨なしフライドチキン)をはさんだ「ファミチキバーガー(260円)」、牛肉コロッケの「ファミコロバーガー(160円)」、白身魚の「フィッシュフライバーガー(230円)」の3種類(価格は予定・税込み)。ソースは甘辛いチャイニーズソースとマヨネーズを合わせた「中華マヨ風」で、パンはファミバーガー用に新しく開発したという。ファミリーマートによると、今回のテスト販売でアイテム別の売れ行きや店舗でのオペレーションなどを検証し、全国販売に踏み切るかどうか判断するそうだ。


※写真はファミバーガーのイメージです

店舗にも客にもメリット大のファミバーガー戦略

新バーガー投入にあたってファミリーマートでは、賞味期限の長い冷凍パンを使って廃棄ロスを減らし、レジ横フードと組み合わせることで客単価を上げられると見込んでいる。また、セルフ方式を採用することで店員の負担を減らし、店舗のオペレーションコストを抑えられるのも大きなメリットという。

一方でライバルのローソンも、レジ横の「Lチキ(骨なしフライドチキン)」をはさんで食べるパン「Lチキバンズ」を2009年から販売しているが、どちらかというと提案型のサイド商品で、その存在や活用法を知らない人も多いようだ。また、Lチキバンズは常温販売のため、ホカホカの「出来たて感」や廃棄ロスの低減という点では、冷凍パンを採用したファミバーガーが優位といえるだろう。ファミリーマートでは「出来たての美味しさを、専門店よりも安価に提供できる」と自信を見せており、レジ横の人気商品として定着させたいと意気込んでいる。

ドーナツの次を狙ってハンバーガー市場に勝機をかける!

コーヒーマシンが置かれたレジ横にどんな商品を並べるかは、コンビニの売り上げを左右する大きなカギとなっている。定番人気のコーヒーとの相性を考え、数年前にはコンビニ各社でドーナツ販売に力を入れたが、いまやすっかり下火となってしまったのは皆さんもご存じの通り……。

そこで、次なるレジ横フードとしてファミリーマートが目を付けたのがハンバーガーだった。ここ1〜2年、マクドナルドのV字回復によって国内のバーガー市場は拡大傾向にあり、2017年の市場規模は約3300億円とドーナツ市場の2倍以上にも及ぶ。今後もマーケットは拡大すると見込まれており、今年から10年ぶりに新規出店を増やすマクドナルドを筆頭に、他のファストフード各社や海外からの新規参入チェーンも加わって、市場のシェア争いはますます激化しつつある。

そうした中、新たな戦略でバーガー市場に乗り込み、コンビニや外食産業界に宣戦布告したファミリーマート。「うまい・安い・早い」が常識となったいま、自分で作る「モノ消費 ⇒ コト消費」いう現代の消費スタイルや、人手不足・食品ロス問題への対応など、時代のニーズに合わせた独自のアプローチで、いかにアドバンテージを獲得していくかが勝機のポイントとなるだろう。

そこで、筆者からの提案をひとつ。たとえば、ファミバーガーにチーズや野菜をはさんだり、ポテトサラダやマスタードをプラスしたりと、客が好みでアレンジしたバーガーをSNSなどで競う「マイファミバーガー選手権」なんて企画があったら、もっと面白くなるかもしれない。作る楽しさを皆で発信・共有することでレジ横マーケットが盛り上がり、他社との差別化にもなると思うのだが……ファミマの担当者さん、いかがだろうか?

≪記事作成ライター:菱沼真理奈≫  
約20年にわたり、企業広告・商品広告のコピーや、女性誌・ビジネス誌などのライティングを手がけています。金融・教育・行政・ビジネス関連の堅い記事から、グルメ・カルチャー・ファッション関連の柔らかい記事まで、オールマイティな対応力が自慢です! 座右の銘は「ありがとうの心を大切に」。

【記事元】
日本クラウド証券株式会社 https://crowdbank.jp
日本クラウド証券メディア マネセツ https://manesetsu.jp

【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
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