Photo by Luke,Ma(写真はイメージです)

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 タレントの出川哲朗(53)が7日放送の『出川哲朗のアイ・アム・スタディー 2時間スペシャル』(日本テレビ系)の中で、石破茂元防衛大臣(60)を黙らせる一幕があったとして話題になっている。同番組は話題になったトピックスや新常識について、出川が日本有数の専門家からレクチャーを受けるという主旨。この日も出川は石破の元を訪ねて、「Jアラート=瞬時警報システム」について”お勉強”するという展開だった。

「出川は『はあ、ジェラートですか』と、いつもの調子でトークしていたのですが、石破が『ミサイルが撃たれてすぐに鳴らすので、撃たれた段階では正確にどこに落ちるかが言えないんですね。正確じゃないよねってご批判は頂いているんです』と言い出すと、『そんな小さな批判気にしないでいいですよ』『ほとんどの人たちは”Jアラートしてくれてありがとう”って思ってますから』とピシャリと言ってのけたんです』(週刊誌記者)

 じつは、石破は9月15日に北朝鮮のミサイル発射でJアラートが鳴った時も、「この時点ではすでに着弾地点は把握できているはず」 「このようなことを繰り返していると、やがて国民の政府に対する信頼が失われることになるのではないかと強く危惧します」と安倍晋三首相(63)と政府の対応を批判している。つまり安倍批判をするために、Jアラートを持ち出すのがお得意の論法だった。しかし実際は出川の言うように「告知範囲が広すぎる」などと政府の対応を非難する人はごく少数派で、「可能性がある地域には知らせてほしい」と願ってる人が多数派だったのである。

■出川のイノセントな言葉に石破が言葉を失う

「出川に、石破の遠回しな政権批判を打ち砕こうなどという気はサラサラなかったでしょう。むしろ”石破=自民党=Jアラートを批判されたら気の毒”というシンプルな発想から出た素直な言葉だったはず。しかし、そう言われれば石破はもはや『世間がJアラート対応を批判してる』などと言えません。出川は結果的に石破の思惑を打ち砕くことになり、SNS上では『出川グッジョブ』『それが国民の率直な声だ』という賛辞が飛んでるわけです」(同記者)

 次期総理の座に最も近く、それゆえ何でも安倍の揚げ足取りに結びつけてしまう自民党内野党の石破。だが、多くの国民にとって「政局」や「党内人事」などどうでもいい話だ。いま目の前にある危機と、日々の生活の安定こそが第一の命題であり、それに命をかけて取り組んでくれる政治家しかもはや信頼されない時代になっていると肝に命じてほしいものだ。

文・麻布市兵衛(あざぶ・いちべい)※1972年大阪府出身。映像作家、劇団座付き作家などを経て取材記者に。著書は『日本の黒幕』、『不祥事を起こした大企業』(宙出版)など多数あり。