【ファンキー通信】世界初のトイレ大学でトイレ博士を目指せ

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 世界初のトイレ大学がシンガポールに設立されるという。「トイレ大学」とはなんとも興味をそそられる名称の大学だが、いったいどんなことを学ぶ場所なのだろうか。

 早速、詳しい情報を調べてみると、シンガポールに拠点を構える「世界トイレ機構」という組織が設立したことが判明。さらに日本の組織として日本トイレ協会という非営利の任意団体も存在していることが分かった。そこで、まずはこの日本トイレ協会に問い合わせしてみることに。

 同協会の加藤さんの話によれば、「日本トイレ協会は1985年に総合的なトイレ環境の改善とトイレ文化の創出を目指して、国や自治体、民間企業などのネットワークから生まれたもの。その後、トイレ問題を通して社会的課題に取り組む日本トイレ協会の考え方・活動が諸外国にも波及し、各国にトイレ協会が設立されました。こうした日本を主体とする国際トイレ交流の中で生まれたのが世界トイレ機構」だという。

 そんな世界トイレ機構が、トイレの清掃技術の向上を目指すために設立したのがトイレ大学なのだ。

 世界トイレ機構の関係者によれば、「トイレ大学では3つのコースを用意しています。ひとつは日本のスタンダードなトイレ清掃法を学ぶコース、ふたつめは生物学的な観点で公衆衛生について学ぶコース、そして3つめはトイレの建築やデザインを学ぶコース」というカリキュラムを設定するという。

 単なるトイレ清掃技術を学ぶだけでなく、発展途上国や大規模な被災地での衛生面での支援などで活躍する人材を育てる目的があるというこのトイレ大学。2006年11月から最初のコースが始まり、40名の生徒が受講する予定だ。

 「トイレは、貧しい国の人々に対して健康、安全、そして尊厳を与えることを可能にします。そしてそれは、彼らを貧困のサイクルから打破させることにつながります」(同)。

 たかがトイレ、されどトイレ。トイレ清掃のスペシャリストを養成するトイレ大学が果たす役割は、世界規模の人道支援にも繋がる! のかも。(文/verb)