「海軍カレー」の元祖とも言える店、魚藍亭の「よこすか海軍カレー館」(神奈川県横須賀市)が2017年8月27日に閉店すると、神奈川新聞のニュースサイト「カナコロ」が24日に報じた。

建物の老朽化などによる無念の閉店に、ファンからは残念がる声が相次いでいる。「海軍カレー」の簡単な歴史とともに紹介したい。

海軍カレーの元祖が閉店(Yusuke Kawasakiさん撮影。flickrより)

海軍カレーブランドの第1号店

日本において、海とカレーは切っても切れない関係にある。かつての日本海軍で栄養補給のためにカレーがメニューとして採用され、現代の海上自衛隊では、海の上で曜日の感覚を保つために、金曜日にはカレーが供されるのが習慣となっている。

海軍カレーの公式サイト「カレーの街よこすか」によると、1998年に横須賀の町おこしとして、明治期の旧日本海軍で作られていたカレーの再現を行うのはどうか、という提案が出され、翌年に「カレーの街宣言」が行われた。

「よこすか海軍カレー館」の公式サイトによると、この時に市から再現を依頼されたのが当時の女将で、後に海軍カレー認定店第1号となり、元祖海軍カレーの歴史が始まったという。

そうして海軍カレーブランドを始まりから支えた店の閉店報道を受け、残念がる声がツイッターに相次いで投稿された。

店側はカナコロの取材に対して「店を復活させたい」と、意気込みを語っている。今後も元祖の味を体験する機会は再度訪れるかもしれない。なお、店の味を再現したレトルトカレーの販売は続けられるという。