「あ〜し〜た天気にな〜れ」なんて空に向かってお願いしたところで、変えられないのが天気。しかし、政府を中心として「人工降雨」の技術を研究してるの知ってました? 空の機嫌をコントロールできちゃうんです。「学校休みたい」「大雨で電車とまらないかな・・・」など、個人的なお願いで雨を降らせることはもちろんできませんが。

 例えば、渇水対策として、また、大雨を降らせるであろう雨雲が発達した時、上陸する前に海上で強制的に雨を降らせて災害を防ぐ、といったケースを想定して研究が進められています。地震や台風といった自然の脅威に敏感になってきた今日この頃、なんとも嬉しい技術ではありませんか。

 そもそもどうやって雨を降らせるのかというと、雲に雨の種を蒔くんだそうです。種というのは、例えばドライアイス、これが雲が雨を作るために必要な氷昌核の代わりになるのです。

 この技術について発表を行った内閣府では、まだ詳しいことは決まっていないという。というわけで以前から人工降雨に関する研究を行っていた、気象庁気象研究所の方にお話を伺ってみました。

 現在、研究はどの程度まで進んでいるのでしょうか?

 「雨を降らせるのに適した雲に種を蒔けば、ある程度降らせることができます。この適度な雲を見極めるのが難しいんですよ」

 「適した雲」とはどんな雲なのでしょうか?

 「当たり前のことなんですが、今にも雨が降りそうな雲。それと水蒸気を多く含んでいるものですね」

 今にも破裂しそうな風船に、針を刺すような感じなんでしょうかね。

 適した雲はコンピュータでシュミレーションして探索。ある程度は見極めができるところまで、来ているんだとか。利根川のダムの協力を得て、研究が進められています。

 この技術が実用化されれば、都心部に大雨が降って交通が麻痺することもないし、水不足で野菜やお米ができないなんてこともなくなります。雨をコントロールしてしまうなんて、 科学の力は偉大ですな。(文/verb)