「タバコは人権侵害を通じて作られている」僧侶兼医師の来馬さんら、製造過程も批判
2020年の東京五輪を前に、受動喫煙の防止に関する議論が進む中、タバコによる「人権侵害」について考えるシンポジウムが7月7日、第二東京弁護士会・人権擁護委員会の主催で弁護士会館で開かれ、50人以上が参加した。
海外のタバコ農園を取材した毎日新聞記者の吉富裕倫さんや、「とげぬき地蔵」で知られる東京・巣鴨の高岩寺住職の来馬明規さんらが登壇し、受動喫煙だけでなく、タバコの製造過程も有害であることを訴えた。
吉富さんは、インドネシアのタバコ農園での取材を紹介。貧しいために学校に行けない子どもたちがタバコ農園で働く「児童労働」の問題や、素手で作業しているため皮膚からニコチンを吸収して、頭痛やめまいなどの症状が現れる「緑たばこ病」の問題を指摘した。
来馬さんは曹洞宗の僧侶であるとともに、循環器内科の医師でもある。禁煙マークのついた袈裟を着て、タバコの問題について取り組んでいる。来馬さんも、海外のタバコ製造過程や、喫煙による健康被害を例にあげながら、「タバコは人権侵害を通じて作られている。使用の是非を検討するまでもない」と主張した。
(弁護士ドットコムニュース)