救急車を呼ぶべき? 不要? 消防庁提供の緊急度を判定するスマホアプリでズバリ解決

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「天災は忘れた頃にやってくる」ということわざがあるが、病気やケガも、同様だ。

急に、
・お腹が激しく痛む
・台所仕事で指を切って想像以上に血が出た
・転んで立てないほど体を打った
・高熱が出た
など、予期しない事態になったとき、思い悩むのが、
・自力で病院へ行くべきか
・救急車を呼ぶべきか
ということだ。

昨今は、
ネットでも、たいしたことないのに救急車を呼んで、ヒンシュクを買ったり批判されたりするケースをよくみるので、救急車を呼ぶのは迷惑をかけているようで気が引ける、という人も多い。
とはいえ、自宅で痛みに耐えたり、傷やケガの処置をしたりするだけで、大丈夫なのか、心配だ…。

救急車を呼ぶか、呼ばないかのガイドラインがはっきりわかれば、と思う。

実は、そんな悩みを解決できる「全国版救急受診アプリ“Q助”」がある。

「Q助」は、5月末に総務省消防庁がリリースした、症状を選択していくだけで救急車を呼ぶべきかどうかの緊急度を教えてくれるアプリなのだ。
Android版、iOS版、Web版の3種類があり、どのような環境でも利用できる。

医師や救急隊経験者などが電話で相談に応じてくれる「救急電話相談センター(#7119)」や「こども救急電話相談(#8000)」といった窓口もあるが、残念ながら対応している自治体は、まだ非常に少ない。

その点、このアプリなら全国共通どの地域でも利用できる。

アプリに表示される質問に対し、
・ケガや病気の症状から痛みの度合いや部位
・発熱があるか
などを選んでいく。

そうすると、
・救急車を呼ぶべき
・自分で病院に行くレベル
・様子見でよい
などの緊急度を教えてくれるのだ。

では、早速、「Q助」の使い方を見てみよう。

「Q助」を最初に起動した際は、規約に同意し、緊急度の分類を確認しよう。


規約に同意し、緊急度の分類を確認


このあと、症状を選択していく。はじめに、
「呼吸をしていない。息がない。」
「脈がない。心臓が止まっている。」
などの最重要項目の選択画面が現れる。

ここの4項目に当てはまる場合は、当然緊急度MAXのため、「いますぐ救急車を呼びましょう」という結果が表示される。
119番への電話もこの画面からすぐにかけられるようになっている。


緊急度が高い場合は119番へすぐに電話がかけられるような画面が表示される


上記でどれにも当てはまらなかった場合は、次々と症状に当てはまる項目を選んでいく。
いくつか基本症状を選択した後、大人かこどもかを選び、具体的な部位や症状の選択画面となる。


大人かこどもかを選び、具体的な部位や症状を選んでいく


緊急度に応じて、必要な対応が結果画面に表示される。
「いますぐ救急車を呼びましょう」以外は、以下の3つのレベルがある。


緊急度に応じた対応が表示される


結果画面には、
「しっかりと受け答えが出来ますか?」
→はい
などと、選択した症状の一覧が表示される。

救急車を呼ぶ際の電話や病院で診察してもらう際にも、これらの症状を伝えるとスムーズに対処してもらえるだろう。
特に、子供や家族の緊急の病気やケガで救急車を呼ぶ際は、気が動転してしまう人も多い。そんなとき、症状を文字で確認できれば、冷静さを取り戻す助けにもなるのでありがたい。

また結果画面には、医療機関の検索ができる厚生労働省の「医療情報ネット」へのリンクや、全国タクシーガイドへのリンクもあるので、必要に応じて参照しよう。

画面右下の「画面設定」から、アプリの文字を大きくしたり、モノクロにしたり、黒背景にしたりすることもできる。


文字の大きさや画面の色味などを設定できる



症状の選択では、
・糖尿病かどうか
・抗凝固薬(血液をさらさらにする薬)を飲んでいないか
・女性の場合妊娠していないか
など、かなり細かな特殊事情も選択できるようになっている。

「Q助」は、なかなか親切で、機能も充実しているアプリだ。
しかし、「Q助」だけで、すべてを網羅できるというわけではない。
特別な身体的特徴や持病がある人の場合、「Q助」だけでも不十分なケースもあるだろう。
経験も活かしつつ、このアプリを活用していくべきだろう。

全国版救急受診アプリ「Q助」


内藤由美