【ファンキー通信】真夏の祭典 カブトムシでK1グランプリ

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 子どもたちの人気者カブトムシ。しかし子供だけじゃない。カブトムシは大のオトコの夢をも託してくれる。このほど、カブトムシの最強王者を決める大会「真夏の祭典カブトムシK1グランプリ」が、南あわじ市松帆高屋乙の松帆活性化センターで開催された。

 ちなみに頭文字のKは、あの人気格闘技K1とカブトムシの頭文字Kを取って付けたとのこと。ネーミングからしてちょいとおちゃめな祭典じゃあーりませんか!

 開催地の南あわじ市は合併で誕生したばかり。合併を記念し市で何かできることはないか? と考え、記念のイベントとして考案されたそう。また、7月は子供たちが待ちに待った夏休み中ということもあり、子供に大人気のカブトムシを用いてカブトムシ相撲を開催する運びとなった。

 試合内容は、まず8ブロックに分かれて予選が行われ、予選は一回戦のみ。制限時間の2分以内に、どちらか一方のカブトムシが、ひっくり返ったり落ちたりしたら負け。ちなみにカブトムシだけに、ムシの居所が悪く動かない場合は、再度2分の延長戦が設けられる。延長戦でも決着がつかない場合は、担当の主審と副審による審議によって判定。予選を勝ち抜いたカブトムシがトーナメントで順位を競う。まさにホンモノの格闘技さながらの熱いバトル。

 しかし、もう一つのK、黒いダイヤとも呼ばれる「クワガタ」はなぜ不参加?

 「カブトムシは闘争心と攻撃性を兼ね備えて荒っぽく、最も戦いに向いているんです。強いものだとクワガタに勝つことはもちろん、スズメバチにも勝つといわれていますので、今回はあえてカブトムシだけで競うことに決まりました」(南あわじ市生涯学習文化振興課 川上さん)

 なかには樹液やメスを独占しようと、あらゆるものに角をふりかざし、半径5cm以内には誰も近づけさせないものもいるという。カブトムシはまさに昆虫界のあらくれもの、ケンカ番長なのだ。

 「体型・大きさだけでは勝ち負けを予測できないのが、このK1グランプリの面白さ。小さな選手が、大きな選手を投げ飛ばす瞬間が圧巻です」(同)

 ちなみにカブトムシの一生はピッタリ1年。成虫は子供の夏休みと同時期の7・8月に活動して、あっという間に儚く散ってしまう悲しい運命。このK1グランプリはケンカ番長カブトムシの最初で最後の晴れ舞台なのかもね。(文/verb)