リクルートキャリアでは、2014年10月からリファラル採用管理ツール「GLOVER Refer(グラバー リファー)」を提供し、約100社で利用されている。人事、社員、応募者にそれぞれ専用画面を提供することで応募経路の一元化や協力社員の手間の軽減を図っている。また、社員の参加率、応募率、通過率、内定率などを把握できるため目標管理も容易だ。 求人サイトや人材紹介サービスでも新しい動きが見られる。

 世界最大級の求人検索サイト「Indeed」は、企業の採用ページや人材紹介・派遣会社のサイト、そして求人媒体サイトに載っている求人情報など、ウェブ上に存在する求人情報をクローリング技術で集め、求職者に提供する。

 Indeed上で求職者が希望の職種・勤務地もしくは職歴にあったキーワードを入力すると、マッチした求人が表示され、最適な仕事を見つけることができるという仕組みで、特に既存の求人媒体では募集に苦労していた職種や地域における採用で効果を上げている。 人材紹介サービスは、業種・職種や地域などを広くカバーする総合型と、スペシャリストの採用で力を発揮する専門特化型で利用方法の二極化が進んでいる。

 大量採用や全国規模の採用の場合は、登録者データベースから一度に候補者を探し出して数多くのスクリーニングや面談をこなす必要があるため、登録者数やコンサルタント数が多い人材紹介会社を利用する。 一方、スペシャリストや経営幹部など専門性や事業への貢献度が高い人材の採用の場合は、専門領域に強い人材紹介会社を利用する。専門的な求人内容の把握と同時に候補者もまた専門家であるため、コンサルティングにおいても経験やスキルを深く理解しなければならない。

 特化型の人材紹介会社は専門分野の候補者からよく知られている会社もあり、独自の人材データベースやネットワークを構築している。 また慢性的に人材不足の業界では求人広告だけでは応募が集まらないため、こうした特化型の人材紹介を併用する必要性が高まっている。

 さらに高度なスペシャリストや幹部の採用ではいわゆるヘッドハンティングと言われるリテインド・ サーチの利用も進んでいる。 求人内容が経営戦略に深く関わるため一つのサーチ会社と独占的なコンサルティング契約を結ぶ。サーチ会社には適切な候補者を必ず紹介しなければならないというコミットメントが発生するため、リサーチに基づく確実な採用が期待できる。 採用力を高めるには、採用部門の強化が欠かせない。採用部門のマンパワーやノウハウ不足を解消するために、「RPO(Recruitment Process Outsourcing、採用代行)」サービスを利用する企業も出てきている。

 社内で採用担当を増員できない際に外部のリクルーターが採用担当の役割を担ったり、短期間で特定職種の採用ニーズを達成する必要がある時などに、企業の実情に合わせて必要なサービス内容を依頼することができる。 採用チャネルの多様化によって採用担当者の業務量は急増している。採用業務を効率化し、最適な採用プロセスにしていくためには「採用管理システム」の活用が欠かせない。

 HRソリューションズが提供する採用支援システム「リクログ」は大手企業を中心に700社以上に利用されている。採用チャネルの多様化に対応して多くの経路からの応募情報を一元管理して有効な母集団形成をサポートする。同時に応募数や歩留まりを常に可視化することができる。

 採用管理システムには、中途採用に特化したもの、低価格で導入できるもの、タレントマネジメントシステムの一部として提供されるもの、 グローバル採用で実績があるものなど特徴があるので、自社の採用の実情や達成したい目標に合わせて導入したい。 複数の企業から声が掛かるような人材との面談を面接者の日程調整に時間を費やしてしまい、機会を失ってしまうこともある。また全国規模の採用では、面接会場の確保や出張費用なども大きな負担になっている。