14歳の父と15歳の母、赤ちゃんを連れて病院から逃走図る(出典:http://www.mirror.co.uk)

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あまりにも若すぎた2人の恋。出産したばかりの15歳と父親になった14歳のカップルは、大切な我が子を福祉関係者に奪われたくないという思いから生まれて間もない女児と共に姿を消した。その後、無事に見つかり保護されるも女児は両親から引き離されてしまった。このニュースを知った人々からは「2人にチャンスを与えてあげて」と擁護する声が相次いでいる。

10代で若くして妊娠・出産する女性は世界中に存在する。しかしその誰もが生まれた子供を故意に手放してしまうのではない。オーストラリア・シドニーに暮らす15歳と14歳のカップルは子供を持つには若過ぎる年齢であったとはいえ、生まれてきた我が子を愛し、2人で育てて行くことへの希望を持っていた。

ところが児童保護サービス側はそれを認めなかった。「子供の面倒を見るには若すぎる」として、“アリア”と名付けられた女児をカップルから引き取る意向を示した。我が子を奪われてしまうことに恐怖を感じた母親ジェニファー・モリソンさん(15歳)と父親ジェイデン・ラベンダー君(14歳)は4月13日の午前0時半頃、生後3日目のアリアちゃんを毛布に包んで市内のネピーアン病院から姿を消した。

3人は電車に乗り、シドニー西部のウィルモットという場所でキャンプをした。3人が行方不明になったことで病院側から通報を受けた警察は大掛かりな捜査をし、16時間後に3人を無事発見することができた。

しかし児童保護サービスのスタッフはアリアちゃんを両親から引き離し、ジェニファーさんはアリアちゃんへ母乳を与えることを禁じられた。現在のアリアちゃんは病院の乳児室でミルクを与えられているという。

発見された時、ジェイデン君とジェニファーさんが持っていたバッグには紙おむつやおしり拭きなど乳児の世話に必要なもの全てが揃っていた。若い2人ではあるが、生まれた子供の世話をし家族で過ごしたいという強い願いがあったようだ。

子供を奪われてしまった後のインタビューで、ジェイデン君は「アリアが生まれたことは僕の誇りであり喜びです。僕たちはクリスチャンだから、イースターの間だけでも子供とジェニファーと一緒に家族で過ごしたかった。子供を奪われて今までに経験したことのない痛みを感じています」と語った。またジェニファーさんも「私は娘のためにいい母親になるし、家に連れて帰りたい。アリアには私が必要なんです。私たちは娘を取り戻すために闘います」と号泣しながら話している。

ジェイデン君とジェニファーさんは出産する前に結婚したいという意思を持っていたが、16歳に満たないためにそれは叶えられなかった。後に警察は「2人は法律を犯したわけではありません。しかし自分たちが乳児を連れて病院から失踪したことに関しては、過ちであると気付いているようです」と明かしている。

ジェイデン君とジェニファーさんは、奪われてしまった我が子に二度と会うことができないかも知れないという恐怖が大きく、『7News』のインタビューでも悲痛な面持ちで答えていた。ジェイデン君の祖母トレイシーさんは「あの子たちは、若すぎるということ以外何も悪いことはしていません。アリアをあの子たちから引き離すべきではないのです」と語る。

このニュースを知った人たちは若すぎるカップルに対して批判的意見を寄せているが、それ以上に擁護する声も多い。

「若すぎるからって、決していい両親になれないとは限らないわ。若い子が子供を生んで放棄するっていう悪い例を一括りにするのは良くない。社会のサポートも利用してちゃんと子育てできる場合もある。2人にチャンスを与えてやってほしい。」
「カップルの親の協力もあるようだし、若すぎるという理由だけで生まれた子供をカップルから引き離さなくてもいいじゃないか。子供のためにベストを尽くそうとしているカップルがかわいそう。」
「いい歳した大人でも、平気で育児放棄する人は存在する。確かに彼らには周りの助けは必要だけど、子供は親と一緒にいるべきだ。」

アリアちゃんの健康状態は良好で現在は病院スタッフの管理下にあるが、いつ退院できるのか、またどこへ連れて行かれるのかは未定だという。

出典:http://www.mirror.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)