日本生産性本部が2016年春の入社から半年が過ぎた新入社員を対象に実施した調査によると、「条件の良い会社があればさっさと移るほうが得」と考える人が5割を超え、過去最高を記録したことが分かった。

 「条件の良い会社があればさっさと移るほうが得だ」と思うかを質問したところ「そう思う」と答えた割合は54.6%と17年ぶりに過半数を超え、過去最高となった。

 2016年春の意識調査と比較すると26.6ポイント増、2015年秋の意識調査(2015年春入社の新入社員)と比較すると6.2ポイント増となっている。

 企業規模別では、従業員300人以上が53.0%、299人以下が55.9%。男女別では男性が53.3%、女性が56.8%。

 仕事を通じてかなえたい“夢”が「ある」と答えた人は37.8%となり、1991年の調査開始以来、過去最低(春・秋通して)を記録した。

 「残業が多く、仕事を通じて自分のキャリア、専門能力の向上に期待できる職場」と「残業が少なく、平日でも自分の時間を持て、趣味などに時間が使える職場」とどちらを好むか聞くと、「残業が少ない職場を好む」とする回答が86.3%となり、最高値だった2015年秋(81.1%)を上回り、春・秋の意識調査を通して過去最高となった。

 会社の運動会などの親睦行事に「参加したい」と回答した人は61.5%で過去最低。2016年春の調査からは20.8ポイント、2015年秋の調査からは6.5%低下している。

 子供が生まれたときには育児休暇を取得したいと思う人は84.1%で、質問をはじめた2011年から、春・秋の意識調査を通じて過去最高となった。男女別に見ると、女性は95.5%、男性でも77.3%と高い。

 調査は、2016年10〜12月、新入社員教育プログラム等に参加した242人から回答を得た。