「べっぴんさん」36話。戦争から帰ってこない夫を諦めるべきか

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連続テレビ小説「べっぴんさん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第6週「笑顔をもう一度」第36回 11月12日(土)放送より。 
脚本:渡辺千穂 演出: 新田真三


36回はこんな話


戦争に行ったきり、なかなか帰ってこない夫の紀夫(永山絢斗)。彼から戦地で裁縫セットを借りたという中山照之(井上拓也)が訪ねてきたり、紀夫の父母・田中五郎(堀内正美)と富美(押谷かおり)が訪ねてきたりして、すみれ(芳根京子)の心は千々に乱れる。

「そしてまた今日もいつもの朝が訪れます」(語り/菅野美穂)
朝ナレーション、キター。「あさが来た」ではよくありましたね。

帰ってこない人を待つ気持ち


「生死すらわからない紀夫くんをすぐ近くに感じるような
果てしなく遠くに感じるような そんな出来事でした」(語り)
中山と名乗る人物から裁縫セットを返してもらい、すみれはこんなふうに感じる。
君枝(土村芳)を心配してお店をのぞきに来る昭一(平岡祐太)を見てちょっぴり寂しくなってしまったりもして。でも帰宅すると、英輔(松下優也)がさくらと遊んでくれていた。すっかり娘のさくらもなついているし、何かと頼りになる英輔だが、すみれの心は紀夫くんしかいないようで・・・
そんなとき、紀夫の両親が訊ねてきて、「紀夫のことはもう諦めてはくれないだろうか」と言い出す。
若い男がいきなり出てきてびっくりしただろうなあ、田中夫妻。でも、目的は「諦めてくれないか」だから、
むしろ好都合だったかも。
この時代、夫が戦死したと思って再婚する女性も多かったのだろう。そして、夫が帰ってきて・・・という悲劇も。
再放送中の「ごちそうさん」も終盤、夫・悠太郎(東出昌大)がなかなか帰ってこないヒロインめ以子(杏)を支え続ける人物・源太(和田正人)がいた。

帰ってこない紀夫くん、現在「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル」に出演中です。

それよ! がもうひとつの口癖に


ベビー相談室は4月6日(土)からはじまり大盛況。だが、商品は高くて手が出ない主婦が多かった。
「なんか、なんかな・・・」が口癖の、はっきり言葉にできない性分のすみれだったが、33話につづいて再び「それよ!」が出てきた。今後、「なんか、なんかな・・・」と悩んだのち、「それよ!」と名案が浮かぶというコンボになっていくのだろうか。
今日の「それよ!」は、ベビー用品が高くて買えない主婦たちに、自分たちで作れるように型紙と材料を提供するアイデア。良子(百田夏菜子)の型紙作りの才能が生かせる商品だ。
4人がしゃがんでせっせと型紙をつくっている姿に、わくわくしっぱなし。

さくらがかわいい


英輔がもってきたあずきを保存するのにお手玉をつくるすみれを見て、明治生まれの祖母が端切れを合わせてあずきの入ったお手玉をつくってくれたのを思い出した。いい音がするのである。
そんなお手玉で遊ぶさくら(河上咲桜)。すわってるときの足の裏。祖父母が来て抱っこしてもらったときの足のぷっくりしたふくらはぎ。女中の喜代(宮田圭子)のところに歩いていってお手玉で遊ぶ姿。子役って、心ここにあらずな子もよくいるけれど、この子はちゃんとみんなに反応している。とにかくかわいい!
(木俣冬)