「体も心もズタズタ」電通美人社員が自殺前に遺した地獄ツイート
写真:PIXTA
「昼休みから戻ると、本社玄関の前にスーツ姿の人が大勢いた。私たちには、いっさい知らされておらず、あとで調査だと知りました」(ある若手社員)
10月14日、東京労働局の過重労働撲滅特別対策班などが、大手広告代理店・電通に一斉立ち入り調査に入った。
「その日の夕方、部局単位で社員が緊急招集されました。そこでは、ツイッターなどのSNSの使用禁止、社のロゴが入った紙袋を持ち歩かないように、社員証は会社から出たら外すように、とのお達しがありました。立ち入り調査の話はありませんでした」(同前)
調査が入った理由は、2015年12月25日、同社の新入社員・高橋まつりさん(享年24)が投身自殺したことだ。今年9月に労災認定され、社内調査に乗り出したばかりだった。
高橋さんは東京大学卒業後の2015年4月、電通に入社。本採用となった昨年10月以降、高橋さんの残業時間は、10月130時間、11月99時間にのぼった。高橋さんはツイッターに悲痛な書き込みを遺している。
〈もう4時だ 体が震えるよ… しぬ もう無理そう。つかれた〉(10月21日)
〈はたらきたくない 1日の睡眠時間2時間はレベルが高すぎる〉(12月9日)
パワハラやセクハラがあったとみられる書き込みも残されていた。
〈休日返上で作った資料をボロくそに言われた もう体も心もズタズタだ〉(10月13日)
〈私の仕事や名前には価値がないのに、若い女の子だから手伝ってもらえた仕事。聞いてもらえた悩み。許してもらえたミス。程度の差はあれど、見返りを要求されるのは避けて通れないんだと知る。〉(12月15日)
労働局は、違法な長時間労働が常態化していた疑いがあると、刑事事件としての立件を視野に調べを進めている。電通広報部は、本誌に「当社は、全面的に調査に協力させていただきます」とコメントを寄せた。
ある中堅社員が、今回の調査の背景を推測する。
「社員は、残業時間をPC上で入力して自己申告します。一方で、入館ゲートの通過時間は、自動的に記録されている。労働局は、その差を調べるつもりではないでしょうか。高橋さんの自殺以前から、残業の上限は70時間と定められていますが、社員の自主的な過少申告は蔓延していますから」
高橋さんが身を投げたのは、〈鬱(うつ)だ〜〉という最後のツイートから5日後。彼女が“自主的”に申請した時間外労働は、10月が69.9時間、11月が69.5時間だった。
(週刊FLASH 2016年11月1日号)