過剰演出が逆効果?民放の五輪放送「早く試合見せろ」と批判の嵐

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 8月5日よりリオデジャネイロオリンピックがスタートした。各テレビ局が争うようにして放送合戦を繰り広げているものの、視聴者の中には民放局の“焦らし”作戦にシビレを切らしている人も多いようだ。

■早く試合見せろ……民放局の過剰演出にブーイング

 オリンピックと甲子園で、昼夜問わずテレビを見ていて寝不足……なんて人が全国にたくさんいる中、一部民放局の放送にブーイングの声が上がっている。

 例えば7日夜から始まったテレビ朝日の柔道と競泳の生中継。放送スタート時は、それまで他局で散々流れている萩野公介選手(21)らメダル獲得者のプレイ映像や海老沼匡選手(柔道66kg級・26)の対戦相手のインタビュー映像などが流れていた。試合が本格的に始まったのは、放送開始から1時間近く過ぎた23時過ぎ。

 SNS上では、試合を待ちわびる視聴者が「もうすぐっていって何時間待たすんだよ」「インタビューとかおさらい映像ばかり」「選手のエピソードは実況が触れるだけで十分。VTRは要らないです」などとブーイング。

 また、CMの度に福山雅治(47)の同局テーマ曲『1461日』のワンフレーズが流れたため「CM多過ぎて福山雅治嫌いになりそう」とウンザリする人も出ていた。 

■亀田三兄弟のボクシング中継でも大ブーイング

 過去にも、TBSなどが亀田興毅元選手(29)らの世界戦のボクシング中継を放送した際、試合開始の3時間前から放送をスタートして数々のエピソードやインタビュー映像を流して、長過ぎる“予告放送”が視聴者から大ブーイングを浴びた。 

 今回は各局がオリンピックの模様を垂れ流ししている。17日間は、試合の合間にメダル獲得者の映像が何度となく展開されるだろう。

「それでも視聴者の最大の関心はオリンピック。試合の開始時間が読みにくいスポーツに関しては近年、選手のインタビュー映像などを差し込んで煽る演出が人気です。オリンピックは他競技を放送する他局、さらにネットのストリーミング配信などと視聴者の奪い合いもありますから、印象的なシーンを繰り返し放送して、視聴者を囲い込みたい意図もあるのでは」(報道関係者)

 現在、地球の裏側で熱戦が繰り広げられているオリンピック。視聴者が喜びで沸くならまだしも、余計な怒りで沸騰しなければよいが。

文・佐々木浩司(ささき・こうじ)※1980年群馬県生まれ。スポーツ誌の契約記者を経てフリーに。現在は主に、週刊誌やビジネス誌で活動中。得意分野は芸能、プロ野球、サッカーなど。主な著書に『洗脳のすべて』(宝島社)など。