ムダな時間を使わない! 仕事の効率を上げる思考法3

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■残業時間を減らすマインドセット

▼なぜ完璧主義の人は生産性が低いのか?

「残業時間が長く、仕事の効率がよくない人の共通点のひとつが、完璧主義です。最近、このタイプの人が増えています」(“習慣化コンサルタント”の古川武士氏)

例えば社内の打ち合わせ資料なのに、本格的なプレゼンテーション向けのものをつくろうとする。いわば求められていない過剰品質によって、自分の首を絞めてしまっているのだ。

「頑張っている自分に酔うようなところがあるのでしょう。とにかく無制限に時間を費やしてしまう。仕上がりは確かに素晴らしい場合もありますが、頑張りすぎる人は非効率。かけた時間あたりの生産性は低いのです。しかも、出来上がるまで抱え込む傾向にあるので、ギリギリで出来上がったものの、方向性がまったく違っていたりするから目があてられません」(同)

与えられた期限のなかで最大限の効果を挙げられるような工夫を考えよう。

■スキマ時間の賢い利用法

▼営業回りの「合間」にひと仕事する

時間の使い方がうまい人は、スキマ時間を上手に利用している、と古川氏は語る。

「例えば、1日に何件か営業回りするときの移動時間や、先方と約束した訪問時間までのちょっとした空き時間に、上司に提出する日報作りや顧客への提案書の原案作り、さらには思いついたアイデアを個条書きにまとめてしまう。

帰社してからじっくり腰を据えて取り組む作業でも、スキマ時間を利用してアウトラインをつくっておけば、かなり時間を節約できます。私がコンサルティングをしているビジネスパーソンの場合、いわゆるスキマ時間は1日に通勤時間を含め平均3時間ありました。歩いている時間などは仕方ありませんが、工夫次第で有効活用できるスキマ時間は多いはずです」

一度、自分のスキマ時間がどれくらいあるかを積算してみよう。塵も積もれば山となる。

■人生の浪費を減らす「Do Notリスト」

▼失敗から学んで、悪習慣をやめる

働きながら米国公認会計士や弁護士資格を取得した佐藤孝幸氏は、「Do Notリスト」を作成することがムダな時間を使わずにすむコツだという。

「愚かなことに人は同じ失敗をしてしまうものです。だから、仕事で得た教訓から『◯◯するべし』よりも、むしろ失敗から学んだ『べからず集』をデスク周辺や手帳に書いたほうがいい。仕事の調子がいいときなどは、失敗したことだけでなくその紙に書いたことさえ忘れてしまうので、定期的に読んで頭に刷り込むようにするといいでしょう」

勤務の合間に、インターネットをだらだら閲覧してしまった。本当は酒を飲みにいきたくなかったのに、上司の誘いを断れなかった……。そんな誘惑や時間の浪費の習慣を捨て去るためにも、自らを戒める「Do Notリスト」は効果があるのだ。このリストはキーボードで打つよりも、手書きで書いたほうが有効である。

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習慣化コンサルタント 古川武士(ふるかわ・たけし)
関西大学卒業後、日立製作所などを経て2006年に独立。オリジナルの習慣化理論・技術を確立。著書に『力の抜きどころ』など。プレジデント・オンラインで月2回「得する習慣、損する習慣」連載中。
弁護士・米国公認会計士・公認内部監査人 佐藤孝幸(さとう・たかゆき)
早稲田大学卒業後、外資系銀行に就職。その後、米国大手会計事務所に就職するために渡米。2年間の独学で弁護士試験を1発でクリア。著書に『「要領がいい」と言われる人の、仕事と勉強を両立させる時間術』。

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(弁護士・米国公認会計士・公認内部監査人 佐藤孝幸 習慣化コンサルタント 古川武士 構成=遠藤 成、大塚常好 )