「住みたい街」常連・吹田市の住民を後悔させる、ある問題
[ちちんぷいぷい - 毎日放送] 2016年3月15日放送「Today's Voice」のコーナーでは、大阪・吹田市の保育所問題についての話題が取り上げられていました。
関西の住みたい街ランキングでは常連となっている吹田市......ですが、現在は大規模マンションの建設ラッシュなどが進む「若返る街」に保育所の数が追いついていないという問題が発生しています。
吹田市を走る大阪モノレール(cotaro70sさん撮影、Flickrより)
吹田市内の認可保育所・認定こども園は全部で47か所あり、今年4月の入所では、1次選考でおよそ1400人の受け入れが予定されていました。しかし、これに対し申し込みをしたのは2481人と過去最多の人数となりました。
1次選考で行き先が決まらなかった人は昨年より290人増の1018人。2月24日締め切りの2次選考では、この1018人と更に新しく申し込んだ人の中から選出されましたが、少なくとも684人の行き先が決まらないという結果になりました。
4月まで残りわずか。吹田市役所には連日多くの保護者が詰めかけています。解決策はあるのでしょうか。
2つの問題点と解決策
(1)利用調整基準...1歳未満から未就学児が入所対象となっている認可保育所ですが、家庭の事情などを点数化するための吹田市の利用調整基準を見てみると、常勤の人には10点・パートの人には7点・求職活動中の人には2点などといった振り分けになっています。その他の状況もふまえ総合的に審査されるそうですが、この点数には納得できない面も出てきそうです。
(2)大規模マンション建設と保育所の併設...実はかつては大規模マンションや団地等を建設する場合には、新しい保育所の敷地を確保することを開発業者に義務付けられていました。しかし、規制緩和されたことによって条件付きの許可制に。もちろんメリットもありますがデメリットも大きいです。
この保育所問題に対し、佛教大学特任教授の奥野隆一さんは、廃園になった幼稚園を有効活用すべきではないかと唱えています。この活用法が実現すれば、吹田市では500人分の保育所を確保できるだろうとのことです。
また、保育士の人数の確保については、地方にばらまいている税金などを保育士の賃金アップに利用すれば、もっと人数も増えていくのではないかという意見も出ていました。
様々な課題がありますが、どうも改善が難しい問題ではないように思えます。これらの問題を早急に改善してもらい、住みたい街として発展している吹田市が保育所問題などの弊害なく、更なる発展をとげていければなぁと思いました。(ライター:にゅーりぶ)