FacebookもYouTubeも注目!「360度VR動画」の可能性とは?/VIDEO SQUARE 編集部
「360度VR動画」が今、注目を浴びています。
「360度VR動画」とは、視聴者のアクションに合わせて、動画の画角も変わり、まるで自分がその場にいるかのような、高い没入感を得られる動画のことです。
Facebookは、9月にウェブとAndroidアプリで360度ビデオのサポートを既に開始していましたが、すでにiOSでも体験することができるようになっています。
また、Googleも11月5日、Android向けYouTubeアプリのアップデートを行い、360度VR動画に対応したことを発表しました。(その後iOSアプリも対応)
視点を360度自由に変えられることでも話題を呼んでいる「StarWars」シリーズの最新作「フォースの覚醒」
「360度VR動画」というのは、決して真新しいコンセプトではなく、Oculus Riftが発表された2012年頃から注目されていたものでした。
ただ、「360度VR動画」を楽しむためには、Oculus Riftなどの特殊なデバイスが必要で、これを体験できるのは一部のマニアにとどまっていました。
しかし、2015年に入り、FacebookやYouTubeのスマホネイティブアプリが「360度VR動画」に次々と対応。スマホさえ持っていれば誰もがVR動画を楽しめる段階に入ってきています。
Star Wars、Discovery、GoProなどが続々投稿
「360度VR動画」が普通のスマホで再生できるようになり、動画の制作者たちも次々と実験を開始し始めました。
百聞は一見にしかず。まずはいくつかの「360度VR動画」をご覧いただきましょう。
※スマホアプリで閲覧すると、ジャイロセンサーと連動し、より没入感が増します。
まずは、まるでStarWarsの世界に入りこんだかのような動画を2つご紹介しましょう。
Red Bullも、まるで視聴者がF1ドライバーになったような動画を公開しています。
Samsungもタヒチに旅したかのようなVR動画を制作しています。
制作環境も整いつつあるVR動画
Odysseyの価格は約180万円
VR動画市場、期待される活用分野は?
再生環境、そして、制作環境が整ってきているVR動画市場。注目されるのは活用分野でしょう。
私は大きく分けて2つの活用分野を予測しています。一つは、ニュースVR動画。もう一つは、広告VR動画です。
ニュースは、臨場感が命。まるで現場に行ったかのような感覚が得られるVR動画は、大きな話題を呼び込むでしょう。ニュースVR動画は、制作コストもそこまでかからないため、制作サイド的にも参入しやすい点からも注目すべきでしょう。
そして、広告分野におけるVR動画活用も今後は期待できるでしょう。遊園地のジェットコースターのバーチャル体験、不動産のバーチャル内覧など、体験を伴うものは、普通の動画を超える没入感をもたらすはずです。
また、上記で紹介したような映画の世界を体験できるようなVR動画は、既に映画製作時に作ったCGモデルなどを再利用できるため、費用対効果の高いプロモーション動画の制作が可能となるでしょう。
サイバーエージェントが10月に発表した調査によれば、日本の動画市場は2020年までに2015年の4倍の2,000億円規模に到達すると、予測されています。
そのうちの過半数はスマホ向け動画と言われており、そのうち数%のシェアをVR動画が取るとしても、数十億円の市場がそこには眠っています。
まだメジャープレイヤーが参入していない360度VR動画にいち早く参入すれば、そこには大きな果実があるのかもしれません。
メディア・プロデューサー
柳内 啓司 / Keiji Yanagiuchi