【退場】浦和=宇賀神(37分) 名古屋=永井(90分)
【MAN OF THE MATCH】関根貴大(浦和)

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【試合内容】
 立ち上がりから浦和がポゼッション、名古屋がカウンターからゴールを狙う。28分、アウェーチームはノヴァコヴィッチのポストプレーから川又がシュートをゴールネットに突き刺したが、これはオフサイドの判定に。逆に39分、浦和は闘莉王のクリアが小さくなったところを関根が見逃さずに拾い、左足でシュートを決めて先制する。
 
後半もホームチームがボールを支配し、52分、右サイドからの梅崎のクロスを武藤が身体ごと押し込んで2点目。試合終了間際に田中に1点を返されたものの、浦和がそのまま2-1で逃げ切った。浦和は5勝2分と開幕から無敗で突き進み、首位をキープ。
 
【チーム採点・寸評】 
浦和 6.5
前線3人が絡んでのゴールが生まれるなど、試合のなかで進化を遂げた。ただし、ロスタイムに失点を喫したため、「内容は素晴らしかったが、最後の失点に怒りを覚えている」とペトロヴィッチ監督は決して満足せず、気を引き締めていた。
 
名古屋 5
カウンターに懸けたものの、前線までボールが入らず。また、守備を固めながら2ゴールを奪われる始末。ファーストシュートを打つまで73分も掛かっているようでは厳しく、1点差とはいえ、内容的には完敗に終わった。
  
【J1 PHOTOハイライト】1stステージ・7節

 
【浦和|採点・寸評】 
GK 
1 西川周作 6.5
20分過ぎに接触プレーで頭を打ったが復帰。51分にセンターサークルの手前(ゴールから約30?)まで飛び出して小屋松を止めた「リベロ西川」のファインプレーは、世界中のサッカー好きに見てもらいたいワンシーン。
 
DF 
4 那須大亮 6
ノヴァコヴィッチとの神経を遣うマッチアップを最後まで続けた。忍耐強く耐えていただけに、完封で飾りたかった。

5 槙野智章 6
背後のスペースを狙ってくる永井らに冷静に対応。攻撃参加は自重して、チームプレーに徹していた印象。 

46 森脇良太 6
関根へのフォローをしつつ、フリーでボールを持った際に縦パスや大きなサイドチェンジなどプレーの選択肢も豊富だった。精度の高いクサビのパスで、先制点の起点にもなる。
 
MF
24 関根貴大 7
両チームともに主導権を掴もうとしていた一進一退の時間帯にシュートを突き刺す。永井とのマッチアップで勝利できたことも自信になった。守備でも球際の強さが一戦ごとに上がっている。 

8 柏木陽介 6
ミスなくボールをよく散らして、攻撃を司る。終盤は左のシャドーでプレー。精度の高いトラップで、相手の嫌がる位置で起点を作った。

22 阿部勇樹 6
ゴール前へ飛び出した際に「潰れ役」となって武藤のゴールをお膳立てした。
 
3 宇賀神友弥 6.5
 攻守両面でスプリントを利かせたアップダウンで貢献。永井の突破を止め切れずイエローカードを受けたが、プレーの質は最後まで落ちなかった。

19 武藤雄樹 6.5
よく走ってサイドからの攻撃を活性化させた。何度もゴール前へ顔を出して、52分に価値ある2点目を叩き込んだ。

7 梅崎 司 6
サイドに張り出して2点目をアシスト。関根とのポジションチェンジも絶妙だ。次第に運動量が落ちて李と交代に。

FW
21 ズラタン 6.5
楢粼の好セーブに阻まれてゴールはならなかった。ただ、ペナルティエリア内でボールを受けて、2ゴールの起点になる。2試合連続スタメンで、いずれも得点に絡んだあたりは高く評価できる。
 
交代出場 
FW 
20 李 忠成 5.5
オーバーヘッドで惜しいシュートを放つ。ただしフリーの選手にパスを出さないなど、判断ミスも見られた。
 
MF
16  青木拓矢 5.5
強烈なミドルを放つなど攻撃面ではリズムに乗れていた。しかし圧された時に撥ね返し切れず、失点に絡む。
 
DF
17 永田 充 ―
守備固めで入ったもののマークがずれて最後の最後に失点。持ち味であるパワーを活かして弾き出したかった。

監督
ペトロヴィッチ 6.5
WBが前線まで繰り出す攻撃的スタイルが機能してゴールを奪う。1失点したものの崩された場面はほとんどなかった。「点差以上の差を感じた」と、西野監督に言わしめた。
【名古屋 | 採点・寸評】
GK 
1 楢粼正剛 6
ズラタンにボールが渡った二度の決定的なシーンや李のバイシクルシュートを止め、存在感を示した。

DF
19  矢野貴章 5
序盤は武藤、宇賀神と縦の仕掛けを得意とするアタッカーを抑えていた。しかし、次第に守備一辺倒になり、チーム全体の重心を下げた。
 
3 牟田雄祐 5
梅崎への対応が甘く、あっさりクロスを打たせてしまった。それまでの高い集中力を活かした守備が水の泡に……。

4 田中マルクス闘莉王 5.5
危ない場面でこともなげにインターセプトを連発。主将として周りへの指示やゲキを飛ばし、一段と「闘莉王のチーム」になっている印象を受けた。しかしこの日唯一のミスを失点につなげられた。
 
2 竹内 彬 5.5
背後から飛び込む武藤に気付けず失点。数的不利な状況に持ち込まれてかなり苦労していた。
 
MF
32 川又堅碁 5.5
シャドーで先発し、28分に技ありの左足のシュートを決めたが、その直前のノヴァコヴィッチのプレーがオフサイドに。終盤、CFに入った時のほうが怖さは増した。

11 永井謙佑 5.5
WBで先発したが持ち前のスピードを発揮できず。意地のヘッドも西川の好セーブに阻まれバーを直撃。
 
8 ダニルソン 5.5
守備では力強さを見せつけた。ただ、ひとりでカバーするにはスペースが広すぎた。

20 矢田 旭 5.5
前半は縦へのアクションからシャドーとも絡み、攻撃のスイッチを入れた。しかし後半はプレーするポジションが一気に下がり、持ち味を発揮できなくなった。

10 小川佳純 5
26分にビッグチャンスになりかけたところでトラップミス。良いところなくハーフタイムに退いた。

FW
18ノヴァコヴィッチ 5
アシストかと思われた28分のシーンはオフサイドに。期待されたようなポストプレーを見せられなかった。
 
交代出場
FW
22 小屋松知哉 5
西川にクリアされた場面は、痛恨の判断ミス。あの一発を決めることが求められていただけにもったいなかった。
 
MF
13 磯村亮太 5.5
反撃態勢を整えるためにバランスを整える役割が期待された。しかしチーム全体がより守備的になってしまった印象が否めず。

MF
35 田中輝希 6
積極的に攻撃に加わり、永井のシュートのこぼれ球を押し込み今季初ゴールを決めた。
 
監督 
西野 朗 5.5
序盤は拮抗したが、徐々に差が浮き彫りに。「個の力」を前面に出して挑んだものの、3-4-2-1を機能させるための「組織力」の欠如を露呈した。
 
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部) 

※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。