画像提供:東北大学・小濱研究室

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 私が子どもの頃の、未来の乗り物といったら「リニアモーターカー」。それが昨年、愛知万博の会場への交通手段として登場。遠い未来の乗り物だと思っていたものが実際に人を乗せて走る姿を見るのは、なんとも不思議な気分だった・・・。

 リニアモーターカーは、強力な磁気反発力で列車を浮かせて走る。「浮かせて走る」というこの原理が、当時としては画期的なものだった。そんなリニアモーターカーよりも、さらにクリーンで、その上、最高時速500キロのスピードで走ることができるという未来型列車の研究が、今日本で進んでいることをご存知だろうか・・・? その名も「エアロ・トレイン」! まだ、あまり知られていないが、実現すればたくさんのすばらしい可能性を持った夢の乗り物になるという。

 この「エアロ・トレイン」の研究を進めているのは、東北大学流体科学研究所の小濱教授。研究が始められたのは、2000年。当時、小渕首相が進めていた「ミレニアム・プロジェクト」をきっかけにスタートした。エアロ・トレインの見た目は、列車というよりも飛行機に近いデザインになっている。この列車を浮上走行させるのは、翼に発生する揚力。機体の両脇についたプロペラで加速し、翼に発生した揚力で機体を浮上させ、走る。さらに地面との間に空気の流れが発生することで起こる「地面効果」と呼ばれる空気反発力がクッションになり、高速でも安全に浮上走行することが可能になる。リニアモーターカーには、有害電磁波を発生させるというリスクがあるが、それに比べ安全性も高く、クリーンなのが特徴だ。

 「地球温暖化が深刻な問題となっている現在でも、私たちはエネルギーを浪費する機器や速い乗り物に強い興味と期待を抱いています。このままでは、環境の破綻をきたしてしまいかねません。何とか魅力的な性能の機器でもエネルギー消費が驚くほど少ないものが開発できないか・・・? そのような気持ちからこのプロジェクトは進められています」(東北大学・小濱教授)

 2003年には、無人ながらゼロミッションで時速150キロの走行に成功。さらに今後は、5年間のうちに6人乗りの機体で時速350キロの走行を目標にしている。当面は、費用の問題もあり、一人乗りの機体での有人化を目指している。この夢の乗り物を私たちが目にできる日も、そう遠くないかもしれませんね! (石橋夏江/verb)