新事実! 大豆イソフラボンを取っても効果がある女性は50%だけだった
美容や健康に興味があったら、一度は耳にしたことがある「イソフラボン」。大豆などに多く含まれていて、女性ホルモンに似た働きをする成分です。女性ホルモンは、肌や髪の新陳代謝を促す働きがある、まさに「美のホルモン」! それだけに豆腐や豆乳などの大豆製品を食事に取り入れている人も多いのではないでしょうか? ただ、最近の研究で「イソフラボンを取っても効果を充分に得られる人は一部だけ」というショッキングな事実が明らかになったのです!
●日本人の50%しかイソフラボンの効果を充分に得られない!
イソフラボンが女性ホルモンに似た働きをするのは「エクオール」という物質がカギ。エクオールは、体内に入ったイソフラボンが腸内細菌によって代謝されることでつくられます。このエクオールをつくる腸内細菌が体内にいない人は、なんと日本人の50%!(*1)しかも年代別に見ると、中高年女性では51.6%に対して、若年女性では20.4%と年齢によっても差があるようなのです(*2)。なぜ同じ日本人女性でも、年代によって差があるのか? その答えはまだ出ていませんが、腸内細菌が関わることから、どうも食生活にそのヒントがあるようです。
大豆の食べる頻度とエクオールがつくれる人の割合を調査(*3)してみると、グラフのように、大豆をよく食べる人ほどエクオールをつくれる人の割合が高くなっています。腸内細菌は幼少期から形成されるので、子どものころから大豆をよく食べる生活を送ることは一定の効果があるのかもしれません。
●私はエクオールがつくれる人? つくれない人?
ただ、何より気になるのは、自分がエクオールをつくれるのかどうかですよね。それは、ヘルスケアシステムズの「ソイチェック」という検査で簡易判定できます。検査は、夜に豆腐などの大豆製品を食べて、翌朝の尿を採取して郵送するだけなので、興味のある人はぜひチェックしてみて。
でも、検査の結果、エクオールをつくれないことがわかったら、どうすればいいのでしょう? そんなときは、エクオール自体をサプリメントで補う方法があります。大豆を乳酸菌で発酵させてつくった大塚製薬の「エクエル」などが代表的です。
まだまだ知られていない衝撃の事実、いかがでしたか? 大豆を一生懸命とっても効果が充分に得られない可能性があるなんて、本当にびっくりですよね。とはいえ、イソフラボンが女性にとって大切な成分であることには変わりありません。この機会に、食生活を見なおしたり、腸内環境を整える生活を心がけてみてはいかがでしょうか?
出典:
*1 麻生武志ほか:日本女性医学学会雑誌,20(2),313-332,2012
*2 内山成人:更年期と加齢のヘルスケア,7(1),23-31,2008
*3 瀧本陽介、三宅智恵子、細谷吉勝、呉暁紅、大澤俊彦:ソイチェックを用いた、エクオール産生能と食生活に関する全国調査,J. Epidemiol., vol24(supp.1), p118; 2014