一部のメディアで「手紙テロ」とまで表現された今回の一件は、多くの議論を呼んだ。自身の行動を山本氏はどう考えているのか。

 園遊会で天皇陛下に対して、直接お手紙をお渡しするという行為は非礼であったということです。ルールや憲法・法律にはどこにも抵触しないのですけど、ルールではなくマナーの問題だと。マナーとは人それぞれ持っている感覚であるけれども、陛下に対してのマナーという部分、国会に対して、あるいは参議院に対してのマナーという部分、永田町のマナーであったり、場所場所でいろんなマナーがあると思います。僕には陛下に対するマナーに関して思慮深さが足りない部分があったんだと思います、そして、ここが“ネタ”になったわけですね。

 今回大きく自分の中で反省すべき点は2つあります。

 1つはこれだけの騒ぎになってしまい、そのことによって、天皇・皇后両陛下に胸を痛ませてしまった可能性があることについては、猛省しなければいけないと思っています。

 もう一点は、日本版NSCにしても、特定秘密保護法のことにしても、もっと広く伝えなければならない状況の中で、自身の行動のせいで、ブレーキをかけることになってしまったこともやはり猛省しなければなりません。

 手渡された手紙の詳細は大新聞でもいまだ報じられてはいない。はたしてそこには何が書かれていたのか。

 お手紙にしたのは、被曝の問題です。だから、原発や福島には詳細には触れていません。しかし、東日本の放射能汚染について、メディアと権力はこの汚染が福島にしかないという空気を作ろうとしています。汚染の広がりは東日本一帯でまだらであるということが真実で、そこに住む子供たちに健康被害が広がり始めています、という部分は書きました。

 それと、収束作業に携わる人たちが労働の対価を受け取っていないということ、健康管理も被曝管理も満足にされていないという部分は書きました。

 また、これらの全ての情報が隠蔽されてしまう可能性のある特定秘密保護法についても触れ、これが通ってしまえば戦前に戻ってしまうのです、ということを書きました。

 陛下が横を通られた時に「陛下」とお声がけをしました。そしたら立ち止まってくださったので、僕は「東日本で子供たちの健康被害が出始めています」と言いました。「収束作業員たちの労働環境が非人間的で‥‥」と続けると「え?」と聞き返されたので、「原発の収束作業員の皆さんが‥‥」という話をして、「その実情をしたためた手紙を書いてきましたので、受け取っていただけませんか」と言ってお渡ししたら、受け取ってくださったんですよ。



■山本太郎「全て話します!“大新聞は報じてくれない”天皇陛下へ直訴した深意」(1)