Photo_7 15、13、9、5。この数字が何か分かる方は、超の付く野球オタク。本塁打の日本プロ野球記録に挑戦したバレンティン、ローズ、バース、カブレラの4選手の大リーグ時代の通算本塁打だ。

 確実性や脚力の問題で大リーグ定着ができなかったが、打撃練習では並み居る大リーガーに負けずに、遠くへ飛ばしていたという。チャンスの少なかった大リーグから来日。主軸として期待される中、日本人投手の攻め方などを研究、克服して本塁打を量産していった。

 プロ野球全体で43・14打数に1本という本塁打率の中で、バレンティンの6・86は歴代NO1。土俵は違うがシーズン最多の73本塁打した2001年のB・ボンズ(ジャイアンツ)の6・52に迫る。同年の大リーグ全体の本塁打率は30・55と本塁打が飛びかったシーズンだった。日本でも王が55本をマークした1964年のプロ野球が40・85打数に1本。ローズが55本打った01年と、カブレラが55号を放った02年も、それぞれ31・30と33・42という乱発時代に生まれた記録。過去の3選手が55本した時代よりも本塁打環境の厳しい中、2位ブランコ(DeNA)に20本差を付けるバレンティンの突出ぶりはすごい、のひと言だ。

 今季は統一球が昨年までより飛ぶようになり、プロ野球全体で昨年より1・5倍のペースで本塁打が飛び交っている。昨年以上に確実性を高めたコンパクトなスイングでもスタンドインが可能なことに気付いた。それは、この日左翼ポール際に放り込んだ57号が特徴的だった。

 ただ、通算868本塁打した王貞治=ホームランというイメージが損なわれることはない。日米野球で来日する際、来日大リーガーは誰もが王さんの所に行く。数々の本塁打記録の中でも19年連続で30本打ち続け、数字的にも米大リーグ記録(現在はボンズの762本)を超えた男に、世界の野球人は尊敬の念を持っている。

 通算本塁打を塗り替える選手が出てこない限り、サダハル・オーの功績は語り継がれるはずだ。=随時掲載=