新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。このお正月は皆さんいかがお過ごしだろうか。三が日はゆっくり休めているのかな。正月を祝う、神様にお祈りする、というのは仏教的なものだろうね。ブラジルでは、日本と違って年が明けてからのいわゆる「お正月期間」にはそれほど重みがない。クリスマスの方が盛大で、年が明ければ、2日から早速仕事である。というわけではないが、僕もこうして仕事しているよ。

さて、サッカー界にも年末年始のお休みがない。元日にはG大阪と柏による天皇杯決勝が行われたね。J2に降格したG大阪がどんな戦いを見せてくれるかと期待した人も多かったと思うけど、その戦いぶりは、なんだか去年のチーム状態を象徴するような内容だったね。

ビハインドになっても、ただ淡々とボールを回し、バックパスも連発。どうしてもこのタイトルを獲る、勝ってACL出場権がほしい、という執念が感じられなかった。気持ちの面でも、柏が上回っていたように見えた。足元の技術は、G大阪の選手たちのほうがあったのかもしれない。けれど、それよりも大切なもの、戦う上で大前提となる「気迫」が希薄だった。

G大阪は改革の必要に迫られている。改めてチームには厳しさが必要だし、選手の入れ替えも施したほうがいいのかもしれない。西野体制の終焉とともに、一時代を築いたチームは崩れ去ってしまった。

それにしても、日本は強豪が根付かない国だ。今回のG大阪だけではない。磐田、鹿島、横浜FM、東京V……。どのチームも、一つのサイクルが終わって、いったん築いてきたものが消え去ってしまう。G大阪に順番が回ってきただけのこと、という言い方さえできるね。

強豪が根付かない理由の一つに、プロとしての厳しさの欠如が挙げられる。これまで何度も言ってきているが、企業スポーツの弊害、と言い換えることもできるね。たとえば広島が優勝しても年俸が上がらず選手が出ていってしまう。先細りの予算社会の中でやっているから、強いチームが育たないんだ。「絶対に勝たなければならない」というプライドや使命感も生まれない。

Jリーグが誕生して20年経って、強豪がいない。これが、Jリーグの現状だ。厳しい競争社会の中で、ビッグクラブ同士が鎬を削る。そんなリーグになるよう祈っている。