巨人vsヤンキースによる夢の世界一決定戦を想定した『グローバル・ワールドシリーズ』創設を話し合う日米コミッショナー会談が、12月13日(日本時間14日)に予定されていたが、当日になってドタキャン。その顛末は…。

 日本プロ野球機構(NPB)は12月12日、渡米中の加藤良三コミッショナーが、米国時間の13日にウィスコンシン州ミルウォーキーで米大リーグ機構のセリグ・コミッショナーと会談すると発表していた。
 機構関係者によれば、今回の加藤氏の渡米は『ワールド・ベースボール・クラシック』についての意見交換をするとともに、日本シリーズを制したチームと大リーグのワールドシリーズ王者による『グローバル・ワールドシリーズ』を創設するのが目的だったという。

 ところが、どうしたことか当日になって会談は中止。理由は加藤コミッショナーの疲労による体調不良のためとされ、トップ会談は後日に実施する方向だという。
 「不整脈とのことですが、入院するほどではなく、現地で静養しているそうです。大事を取ったのだとしてもチグハグな印象はぬぐえません。実は、世界一決定戦の方法論を巡って日本サイドの意見が一本化できず、やむなくトップ会談を先延ばしした、という情報も伝わっていたからです」(大手広告代理店関係者)

 『グローバル・ワールドシリーズ』は、加藤氏がコミッショナー就任のあいさつを兼ねて渡米した'10年1月6日にセリグ氏と日米トップ会談を持ち、セリグ氏の方から「私の任期中にぜひとも実現させたい」と提案された経緯がある。
 以来、日本側は12球団の実行委員会などで具現化に向けて検討を続けており、ようやく素案ができ上がったことで今回のトップ会談が準備されたという。

 「加藤氏が取りまとめた案は巨人の意向を強く汲む形になっている。その加藤案に他球団が反発したことで、今回のトップ会談を順延せざるを得なかったのではないか。とりわけ、ソフトバンクと楽天、オリックスのパの3球団は連携して猛反発しており、もし加藤案がそのまま提案されたら、コミッショナー解任の緊急動議も辞さない雰囲気さえありましたから」
 と舞台裏を語るのはスポーツ紙デスク。
 「日本シリーズ制覇が出場の絶対条件とはいえ、いまもっとも戦力が整っているのは巨人です。自信があるからこそ、『グローバル・ワールドシリーズ』を実現させたいのです。86歳のナベツネさんの最後の夢が『巨人と、イチローがプレーするヤンキースとの世界一決戦』にあることは、読売グループの人間なら誰もが知っている。それを察知しているからこそ、イチローもまた14億円超も減俸されながらヤンキースにこだわり、2年総額10億4000万円で契約延長したのです。来春には間に合わなくとも、再来年の3月にはナベツネさんの夢を実現させられる、と逆算しているのでしょう」(イチローと親しいマスコミ関係者)

 絶対、波乱が起きる。