試合 :ブンデスリーガ 第9節
開催日:2012年10月28日
結果 :シュツットガルト勝利
スコア:「2−1」
得点者:ゲントナー マイアー イビセヴィッチ

○ シュツットガルト

FW:イビセヴィッチ
MF:トラオレ ゲントナー ホルツハウザー ハルニク
MF:クヴィスト
DF:モリナロ ニーダーマイアー タシ 酒井高徳
GK:ウルライヒ

FW:イビセヴィッチ 岡崎慎司
MF:ロドリゲス ゲントナー ハルニク
MF:クヴィスト
DF:モリナロ ニーダーマイアー タシ 酒井高徳
GK:ウルライヒ

○ フランクフルト

FW:オクシャン
MF:乾貴士 マイアー アイグナー
MF:ロデ ラニク
DF:オチプカ アンデルソン ユング ザンブラーノ
GK:トラップ

FW:オクシャン
MF:マトムル マイアー アイグナー
MF:ロデ ユング
DF:オチプカ アンデルソン デミドフ チェロッツィ
GK:トラップ


まずはシュツットガルトからですが、この試合はハマった試合でした。そして、シュツットガルトのラッバディア監督がやりたいサッカーというのは、この試合でやったようなサッカーなのかなと思います。「4−1−4−1」でハイプレスを仕掛け、サイドからのクロスボールで得点、というサッカーですね。この試合ではそれが見事にハマり、クロスボールから2得点を奪いました。

但し、問題は、この試合のように、ハイプレスが最後まで持続して効果的であり続けたり、シンプルなクロスボールからでも決定力を発揮して得点を重ねられたり、という試合にできなかった場合で、この試合でも前半7分の先制点から後半39分の逆転ゴールまで、その間の時間はあまり効果的な攻撃ができていなく、攻めあぐんでいる、という感じだったので、やはりそこには変化を生み出せる選手が必要かなと思います。

2列目の選手は、トラオレとハルニクが頻繁に左右を入れ替えるなど、かなりポジションを流動的にしてやっていましたが、そこに対して質のあるパスを配給できる選手、もしくは、そこにボールが入る前までに効果的なゲームメイクができる選手、そういう選手がいると攻撃力が安定してくると思います。そういう意味で、個人的には、本田がシュツットガルトに来ると良いかなと思っている訳ですが、とにかくそういう本田みたいな選手がシュツットガルトに加わると大きく変わるかなと思います。

その中で、スタメン出場した酒井高徳については、特に見せ場のようなものはありませんでしたが、ハイプレスにはよく貢献できていたかなと思います。但し、もう少し1つ1つのプレーを丁寧にやって、ドリブル突破やセンタリングの精度、守備対応、そこの能力をレベルアップさせる必要があるかなと思います。ラッバディア監督がやりたいサッカーには適している選手だとは思いますが、個としての質を上げる、という事はやはり必要だと強く感じます。

また、後半35分からの途中出場となった岡崎については、この試合ではサイドではなく、イビセヴィッチとの2トップとしてプレーしていました。やはり、岡崎の動き出しに対して質のあるスルーパスを出してくれるような選手がいないので、逆に岡崎が起点となってパス配給をする、という事になりがちで、どうしてもそれだと得点を取りたい岡崎としては辛いところだなと思います。せっかく今季はサイドではなく中央で使われる事も多くなっているのに・・・、という感じですね。

そして、一方のフランクフルトについては、この試合はシュツットガルトのハイプレスに最初から最後まで苦しめられてしまい、フランクフルトは割と相手のハイプレスをかいくぐれる力を持っているチームなのですが、この試合では厳しかったですね。シュツットガルトのハイプレスによって、前の選手になかなかボールを繋げられず、マイアーの個人技によるスーパーゴールで1点を取るのが精一杯でした。

スタメン出場した乾も前半だけで交代となり、この試合では、相手が「4−1−4−1」だった、という事もあって、いつもよりも中央寄りでのプレーを増やすなどの工夫もしていましたが、最近はあまりパフォーマンスが良くないですね。少し前の絶好調だった時のキレが無く、ドリブルで仕掛けても突破できない事が多くなっていて、やはり乾という選手のプレーが知られるようになってからの壁、というものに苦しんでいるかなと思います。

リベリやロッベンのように、それでも止められないような選手になるか、それとも、もう少しプレーの幅を増やして対応するのが難しい選手になるか、もう1つ2つのレベルアップが必要かなと思います。フィジカルの強さも、もう少しだけ欲しいですね。また、乾の場合には、やはり精神面での成長、という事も、もう少しだけ必要かな、という事も個人的には感じていて、自ら良い流れを切ってしまったような感じもありましたから、そこも、これからの大きな課題になるかなと思います。