日本シリーズはセ・パ両リーグのレギュラーシーズン優勝チーム同士の戦いとなった。第3戦は北海道日本ハムファイターズが初勝利を挙げ、現時点で読売ジャイアンツが2勝1敗。海の向こうサンフランシスコ・ジャイアンツのように、ワールドシリーズ4戦全勝とはいかなかった。

 第3戦で気になったのは一塁、右翼側の空席の多さだ。有料入場者数は3万6942人と札幌ドームでの日本シリーズ初の4万人割れ。クライマックスシリーズでもウイークデーだったこともあり1、2戦は2万人台。昨年は2位に終わったもののダルビッシュ有がいて、斎藤佑樹人気もあった。昨年よりファンの興味が減ってきたのだろうか、レギュラーシーズンの観客動員は3年ぶりの優勝を飾ったにもかかわらず約13万人も減っている。

 それはともかく、日本一を争う大舞台での空席は寂しい。個人的にはオールスター戦と日本シリーズ(クライマックスシリーズも入れたいが)は、満員にするのが本拠地チームの義務だと思う。先日、一足先に終わった米大リーグワールドシリーズでは、1973年、オークランドで行われた第1戦が4万6021人(2、6、7戦は4万9000人以上)を最後にすべての試合が満員となっている。一方、日本シリーズでは、31日付けGコラムで箕嶋正治デスクが書いていたように1984年の阪急・広島戦で、ウイークデーだった西宮球場での第3戦から第5戦まで1万9022人、2万2162人、1万4442人という悲惨な入りがあった。それは別にして、全戦ナイトゲームとなった近年では西武ドームでの2004年第3戦の2万3910人、2008年第3戦の2万4495人以来。全国中継されるテレビで空席を見せるのは大きな罪だ。

 島田利正球団代表によれば、日本シリーズのチケットが前売りでさばけなかったのは「記憶にない」という。「ファンサービスが代わり映えしないとか、球場の女性トイレが少なかったというファンの声がある。しっかり分析したい」と話している。北海道へ移転して9年目、シリーズも4度目の出場でファンの見る目は厳しくなっている。ダルビッシュ有投手のポスティングシステムでの入札金でも、松坂大輔の時の西武ドーム大幅改修のような声も伝わってこない。札幌ドームは札幌市所有とはいえ大きな不満だった。ファイターズのチーム強化策などは評価出来るものの、ファンへのアピールを怠っているのではないだろうか。パ・リーグの盟主的存在になってきただけに、球団、球場をより一体化して、ファンがより詰めかけたくなるようなチームになって欲しい。