東京ビッグサイトで3月22日(木)から25日(日)に開催された『東京国際アニメフェア2012』。このイベント内のサテライトブースで行われた『「モーレツ宇宙海賊」スペシャルステージ』の模様をお伝えする。TVアニメ「モーレツ宇宙海賊」(以下モーパイ)で主人公・加藤茉莉香役を演じる小松未可子さんと佐藤竜雄監督が登場し、トークとミニライブで盛り上がりを見せた。


拍手に包まれながら小松さんと佐藤監督が登場。小松さんは「激烈!炸裂!強烈!破裂!爆裂!モーレツ!加藤茉莉香役の小松未可子です!!」と初っ端からテンション全開。サテライトブースのモーパイコーナーでは茉莉香の等身大パネルなども飾ってあり、小松さんも一緒に記念撮影したとのこと。そして、司会からの質問に2人が答える形で、作品についてのトークを展開していく。

――モーパイの前半を振り返っていかがですか?

佐藤:あっという間に過ぎてしまい困っています。音響作業は既に終わっているんですが、絵の作業に日々追われているので、早く終わらせて安心して視聴したいですね。


――印象に残る話数はありますか?

佐藤:(監督だけでなく)シリーズ構成もやっているので1話1話が印象深いんですが、早めにどんな子か皆さんにわかって欲しかったので、2話の最後で茉莉香には「決断は自分の選んだベスト!」と言ってもらいました。

小松:私もそのセリフは印象深いです。最近気づいたんですが、エンディングテーマ『LOST CHILD』の歌詞にそのセリフが入っていたんですよ!

佐藤:『LOST CHILD』で作曲・編曲を担当してもらったNARASAKIさんには映像を見てもらった上で作ってもらってるんですよ。


――制作現場の苦労話やエピソードはありますか?

佐藤:音響作業が先行してしまったので、世間的には制作が終わったと思われているのが辛いですね。まだBlu-rayのためにリテイク作業をしています。現場スタッフのテンションをどう維持していくのか頭を悩ませています。年をまたいで、他の番組の制作も始まったりもして、ややもすると気楽な感じになってしまいがちでしたが、放送開始に伴い、今はテンションを上げています。


――アフレコ現場の雰囲気はどうでしたか?

小松:ベテランの役者さんが多く、和やかな雰囲気で収録させてもらいました。ヨット部員は同世代の女性声優さんに囲まれて、和気あいあいと女子校のようなノリでやっていましたね。(女性ばかりだったので)ブースの中はいい匂いがしてました(笑)。

佐藤:早い時期にオーディションをしたので、今活躍されてる若い女性声優が多いですね。先見の明があったのだと思います(笑)。


――公式ファンブックで、小松さんがグリューエルとグリュンヒルデのキャスティング理由を監督に質問したいとありましたが、どうでしょう?

佐藤:対照的な王女が2人ということで、グリューエルは、責任感があり、一見優しそうだけど姉として腹黒くならない程度にしたたかな感じを演じられる人として、戸松遥さんに。グリュンヒルデは、高飛車だけど実際はお姉ちゃん子でへたれにならない程度にひたむきな演技が出来る人として、金元寿子さんをキャスティングしました。


――茉莉香以外にチャレンジしたいキャラはありますか?

小松:魅力的なキャラが多いのですが、やってみたいのはルカです。「見える・・・」というセリフが深いようで浅いようで難しいんですよ。セリフはひとつひとつ短いんですが、それに意味深な部分を乗せるというのが、私にとって魅力的でした。


――お2人はオーディションで初めて会われたんですか?

佐藤:オーディションの時は後ろ姿くらいしか見えてなくて、音響監督を介して演技指導をしていたので、直接顔を合わせたのはアフレコを始めてからでしたね。


――お互いの第一印象は?

佐藤:やたら元気のいい人だなと。挨拶が非常に振り切った感じでした(笑)。

小松:初めてのアフレコで、(監督が)ジャージ姿なのを見て「スポーツする人だ!」と思いました(笑)。陸上部だったので、顧問の先生を思い出しましたね(笑)。


――収録の後に飲みに行かれたりするんですか?

佐藤:ちょこちょこと。ケイン役の松風雅也さんやシュニッツァー役の三宅健太さんなど(キャストに)呑み要員が多かったです。「女の子が多過ぎて誘えないよ」とみんな口を揃えて言っていましたね。女子会もあったんじゃない?

小松:私はあんまり参加出来ていなかったんですが、集まった時は和気あいあいとしてました。ひとクラス分くらい人がいて、大宴会になっちゃいましたね。


――小松さんはお酒を飲まれたりするんですか?

小松:マミ役の小見川千明ちゃんがお酒が好きなので、彼女に付き合っていて、ちょっとだけ強くなったかな。

佐藤:私はたしなむ程度です(笑)。

小松:監督がお酒好きということで、チアキ役の花澤香菜ちゃんと瓶(かめ)入り焼酎を買って誕生日にプレゼントしました!

佐藤:もったいないので、放送のキリの良い時に飲もうかと思って、とってあります。


――後半はどうなっていきますか?見所は?

小松:キャラクターがどんどん登場してきます。特に気に入ってるのは安元洋貴さんが演じるショウというキャラです。

佐藤:ファンキーにやって欲しいとリクエストしました。

小松:安元さんのお芝居がすごくて、アフレコ中に笑いをこらえるのが大変でした(笑)


――セリフで苦労したことはありましたか?

小松:声優経験がそんなにないので、長いセリフを言うのは初めてでした。毎回台本で、自分のセリフがあるページを折っていたんですが、全ページにセリフがあって、折った部分が重なって開けないという事故が起きてました(笑)。

佐藤:最初の頃は、茉莉香は船長に慣れてないので、専門的なフレーズを言わされてる感があってもOKを出してました。10話を過ぎてから随分ちゃんと言えるようになってきたなと成長を感じました。


――小松さんはイメージソングを歌われていますよね?

小松:『Black Holy』という曲を歌わせてもらっていて、4月11日にリリースされます。初めて曲を聴いた時は、切ないメロディがツボに入りました。宇宙をイメージした音が散りばめられていて、モーパイのイメージソングらしくなっています。こんな素敵な歌を歌わせてもらえて嬉しかったです。




ここで、小松さんが『Black Holy』を初披露することに。人前で歌うのは初めてという小松さんは、観客が持つ青と白のペンライトを喜びつつ、「さあ、歌の時間だ!」と茉莉香の決めセリフをアレンジして叫び、歌い始める。しっとりとした歌い出しから、次第に盛り上がっていく楽曲に観客もペンライトを振って一緒に盛り上がる。サビでは、素敵な振り付けも披露してくれた。無事歌い終えるとほっとした表情を見せ、人前でのライブが初めてとは思えないくらいの堂々とした姿に拍手が贈られた。



そして、モーパイグッズを持って佐藤監督が再び登場し、オリジナルTシャツやトートバッグを紹介した。バッグに書いてある英単語「BODACIOUS」は「モーレツ」という意味だと解説。原作の笹本祐一先生から、英語に直すならこの言葉という指定があったそうだ。また、原作は「ミニスカ宇宙海賊」というタイトルだが、アニメ化にあたり改題するならば「モーレツ」にして欲しいと、笹本先生から要望があったと明かした。また、話題は2クール目から登場するヨット部のパーカーに。監督が身につけていた黒いパーカーの秘密は15話以降に明かされるそうなので、注目して見ていて欲しいとのこと。楽しい時間もあっという間に過ぎ、名残を惜しむ声が上がる中、2人からファンへメッセージが贈られた。最後に小松さんの合図から、全員で「さぁ、海賊の時間だ!」と叫び、イベントは終了した。

小松:こんな近い距離でトークをしたり、歌うとは思っていませんでした。応援してくださっている皆さんに支えられているんだなと思いました。『Black Holy』を4月11日にリリースさせていただきますが、声優とは違う一面で作品に関われることを誇りに思い、感謝しています。これからも作品を応援していただけたらと思います。

佐藤:小松さんの歌が12話のエンディング以外にもあと数回流れるかもしれませんのでお楽しみに!後半も思いがけない展開が待っているので、楽しんでください。



©2011 笹本祐一/朝日新聞出版・モーレツ宇宙海賊製作委員会
©Copyright King Record.Co.,Ltd. All Rights Reserved.