得失点差云々よりも勝点を取ることが大事だと感じたU-23日本VSマレーシア戦の巻。
こんにちはロンドン!

ピリピリムードから一転、余裕を持って最終戦を迎えることとなりました。22日に行なわれたロンドン五輪男子サッカーアジア最終予選マレーシア戦。U-23日本代表はマレーシアに4-0で快勝。直後に行なわれたグループ内のもう1試合、シリアVSバーレーン戦でシリアが1-2で敗れたこともあり、日本はグループ首位に再浮上。最終戦はホーム国立で「引き分け以上ならロンドン確定」、「負けても可能性アリ」というかなりラクな条件になりました。

前戦シリア戦に敗れた際は、日本・シリアとも残り試合を連勝するだろうという皮算用のもと、得失点差で負けているから大量得点で2連勝しなくては…と焦りを強めたものでした。「マレーシアには5-0で勝たなきゃ不合格」なんて識者の声もあがったほどです。実際、4-0で勝利したあと、シリアの試合が終わるまでの間は「これでは不足だ!」なんて言っていたほどですから。

しかし、僕は改めて思うのです。目の前のステップを飛ばしてひとつ先には行けないということを。得失点差も総得点も勝点で並んで初めて活きてくるもの。残り2試合の正しい目標は「まず勝点6を取る」ことだったはずです。それが達成できそうな試合状況になった段階で、初めて得失点差やら総得点の計算を始めればいいだけ。

未来の大きな目標を掲げるのは結構なこと。大きな目標を掲げるよう促す自己啓発書の類も多いもの。しかし、結局は大きな目標に至るための「目の前の小さな目標」を設定してひとつずつクリアしていけ…なんてアドバイスで締められているものです。何事も目の前のステップをクリアすることでしか前には進めないのです。サッカーの予選もそうです。野球だって、「ボールをちゃんと捕る前に投げることを考えるとエラーするんだ」と言いますよね。

次の試合も状況は変わっていません。まだ予選突破は決まっていないのです。十分可能性がある段階で勝手に厳しい状況を想定して「5-0で勝たないとダメだ!」と息巻く人は、予選突破が確定もしない状況で勝手に本大会を想定して「こんな試合内容で本大会のメダルが狙えるのか?」「恥を晒しに行くようなものだ」「ロンドンに行く価値ナシ」などと不満を漏らすに違いありません。それを「獲らぬ狸の皮算用」と言うのです。まずはしっかりと権利を獲ること。それ以外の雑念を持たずに、選手たちには集中して最終戦を迎えてもらいたいものです。

本大会での戦いについては、香川真司さんの合流の可否、オーバーエイジで誰を呼べるかが決まってからでないと、考えても仕方ないですよね。

ということで、快勝の日本代表と快笑のシリア代表について、早速チェックしていきましょう。



◆ここから再逆転があったら、グループ全体で大爆笑のドラマなのだが!


マレーシアの首都クアラルンプール。南国の暑さとボロボロのピッチ、思った以上の数で押し寄せたマレーシアサポーター。アジア予選ならではの厳しいアウェー感。前戦でかなり手痛い1敗を喫した選手たちを追い込むかのようにプレッシャーが押し寄せます。普段ならさして怖くないマレーシア相手に、ここまでピリピリさせられることになるとは。

だが、それがいいんじゃないですか。厳しいからこそ燃える。難しいからこそ喜びがある。勝負が楽しいのは、勝ちそうなヤツが負けて、負けそうなヤツが勝つからにほかなりません。勝てる相手にだけ勝って、負けそうな相手には負けるなら面白くも何ともありません。このピリピリ感こそ求めているもの。この状況で勝ってくれたなら、最高です。

この重要な一戦、関塚監督はネットなどを中心に広く世間の意見を吸収。「山村和也クンの評判はえらい悪いなぁ」「山村クンを出したら勝っても負けても『無能』とか書かれそうだなぁ」「名波氏など解説者がこぞって山村クンを希望先発メンバーから外しているぞ!そのほうが無難かなぁ」などと考えたのでしょうか。前の試合ではキャプテンマークを巻いた山村クンを外してくる大胆な采配で、なりふり構わず勝利を目指します。

一方マレーシアも上位イジメという強いモチベーションで、予選とは無関係にやる気十分。積極的な蹴りや体当たりで日本を苦しめます。審判団も「いいよ今日は。思い切ってぶつかれ!」とこれを容認。ボールより先に蹴り合いを制することが要求される激しい試合となります。折からの暑さと湿気に加え激しい接触の連続。日本選手もちょっと頭がボーッとしたのかもしれません。沖縄出身ということもあり暑さには強いと期待された左SBの比嘉クンあたりも、「え?どこ見てたの?」というプレーをたびたび見せるなど、だいぶ参っていた模様。

しかし、左が苦しいときは右が頑張ればいいのです。このチームの中でも即代表クラスの存在感を放つ右SBの酒井宏樹がこの苦境を打破します。前半35分、相手クロスをヘッドで跳ね返した酒井は、味方がボールをつなぐ横を自陣ゴール前から全力で追走。ついに相手ゴール前まで駆け上がり、原口元気が競り合って流れたボールを相手ゴールに流し込みます。「何故ここに酒井が!」と酒井以外が大興奮する先制点となりました。

↓よく決めた!勝利に必要な1点を奪ってまずは一安心!


1点取らなければ勝てない、1点取らなければ5点は取れない!まずは1点からだ!

って、どうでもいいけど、せっかく逆サイドから5番の比嘉クンが祝福に来たんだから、誰か抱き締めてやれよwww

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勝利が見えたことで試合自体の流れも日本に大きく傾きます。相変わらずボールの渡し合いがつづく落ち着かない展開ではありますが、GK権田を中心とする守備陣がマレーシアの攻撃を完封。勝点3を死守しつつ、味方の追加点を待ちます。すると前半44分、後半10分、後半15分と日本は続々と追加点を奪取。大迫のいい飛び込みからのヘッド弾、酒井の素晴らしいクロスからの原口元気弾、扇原の鋭いミドルからこぼれ球に反応した斉藤“カモメッシ”学弾、日本の得点はどれもナイスゴールばかり。気持ちよく大量得点を決めてみせました。

↓ここだけ見たらめっちゃ強そうやん…!待ってろロンドン!


どうでもいいけど4点目のとき、しつこく「ボールくれ」って手を振る斉藤クンを、ガン無視する比嘉クン半端ないなwwww

本当にこの二人は同じチームなのかwwwマリノスの連携不安www

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と、希望通りの大量得点快勝となった日本。4点では足りないなんて声もありましたが、勝点3を取ることが何より最優先。その上で、当面シリアを逆転するに必要な得失点差も積み上げられたのですから十二分です。まず勝点、その上で得失点差。「大量点を意識して逆に苦戦」というパターンにハマらず幸いでした。

一方、ハマってしまったのが、直後のもう1試合。バーレーンのホームに乗り込んだシリアは、前半早々にセットプレーから1点を失ったシリアは、日本戦で見せた怖さを発揮することなく、いたずらに時間を消費していきます。序盤から両チームが繰り出す中東戦法…「ぶつかる」「すごい痛そうに転がる」「次のプレーではめっちゃいい動き」というコンボと、シリア人の政治的アピールを狙ったピッチ乱入で、本当にいたずらに時間がすぎていったのです。

シリアがようやく1点を返したのは残り5分を切ってから。胸トラップから右足アウトで美しく放り込んだシュートは、本当にお見事でした。お見事でしたが依然として1-1の同点。勝点3を積んだ日本にはこれでは追いつけません。しかも、シリアの大爆笑はココからが本番だったのです…。

↓ようやく同点に追いついた直後、お笑いプレーで勝ち越されるシリアのショートコント!



ファインゴールで同点

めっちゃ喜ぶ。抱きついてお互いに引きずり倒すレベルの大歓喜

監督・コーチが「まだ同点だ!早く戻れ」って言っても戻らないレベルで盛り上がる

さぁ逆転するか、と攻めに掛かったら横パスカット

長いボールを裏に送られる

対応したDFが「よし、このままゴールキックにしよう」と思いつつ、相手に押されたので倒れてファウルゲット作戦

倒れたけどファウルはもらえず、ボールもその場に残っちゃう

ボール拾われてGKと1対1に

ズドーン!バーレーン勝ち越しwww

残り時間の間、GKが倒れたり転がったりグルングルンしたりストレッチしたりでダラダラ時間稼ぎ

試合終了wwww中東同士の潰し合いwww

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日本戦より面白かったシリア戦。このドタバタ決着により、日本のロンドン五輪はグッと近づきました。と同時に、0-5以上の大敗を喫した場合は、その場でロンドン消滅という危険性も残りました。最終戦はホームでもありますし、まずはキッチリと勝利でロンドン行きを確定させてほしいものです。まぁ北京大会のように、最終戦を微妙なスコアレスドローで締めくくり、「これでロンドンに行けます!」と泣きながら絶叫する形でもOKですが。



まずはロンドン行きを決めてから、その先どうするかを考えましょう!