6日に予定されていたセリエA第11節のナポリ対ユヴェントスが、豪雨のために延期された。同日開催予定だったジェノア対インテル戦に続く延期となる。ナポリ郊外で1名の死者も出たほどの豪雨を受け、ナポリの県知事と市長が決定した。スタジアムを訪れる観客の安全を考慮し、また警備に人員を割くことが難しいからだ。

だが、県知事が延期決定を発表した際、ナポリに日が照っていたこともあって、ユヴェントスは困惑した模様。ユーヴェは公式声明で、「我々はしっかりと試合に向けて準備し、素晴らしい勝利を挙げたところで良い調子にあったから、残念だ。状況分析において当局を助けるために、ナポリにはさらなる要素があったのだろう」としている。

まるで、チャンピオンズリーグ(CL)でバイエルン・ミュンヘンと対戦し、疲れている選手たちの回復に有利だからと、ナポリ側が試合延期を後押ししたとでも言っているかのようだ。トーンこそ抑えていたものの、ユヴェントスのジュゼッペ・マロッタGM(ゼネラルマネジャー)はこう話している。

「我々は『スカイ』から(延期の)知らせを知ったんだ。リーグに連絡したが、当時は彼らも知らなかった。それからナポリのリッカルド・ビゴンSD(スポーツディレクター)から連絡を受け、そう決まったと言われたんだ」

これに対し、ナポリのアウレリオ・デ・ラウレンティス会長は、「県知事の決定に完全に同意している。サッカーは素晴らしいショーであり、今日の試合は特にそうなっていたはずだが、この数日の現実はまったく別物で、当然ながらスポーツイベントよりも優先されることだ」とコメント。ワルテル・マッツァーリ監督は次のように語った。

「この試合を戦えないのは残念だ。延期の知らせは昼食のときに届いた。みんな驚いたよ。我々は集中し、気合を入れてピッチに立つ準備ができていた。サポーターを喜ばそうとね。だが、安全面の理由が何よりも優先されることも理解している。それに今は、(同じく豪雨の被害を受けている)ジェノヴァの犠牲者の方々や、今朝亡くなった方のことを考えているよ」

また、延期された試合の新日程についても、スクデットを争う両クラブの見解は異なるようだ。マロッタGMは次のように主張している。

「ユヴェントスはルールどおり、可能な日程のうち、最も早い日にちに開催することを求める。我々はトレーニングをしてきた。最初に可能な日にちは、11月30日のはずだ」

ジェノア対インテル戦は12月14日に開催される見込みとなっており、ナポリ対ユヴェントスも同日開催になる可能性が騒がれているが、マロッタGMは「ルールは守らなければいけない。決定するのはリーグだ」と強調した。

これに対し、ナポリのビゴンSDは「その日程は我々の助けにならない。とんでもない日程の中に、さらに試合を加えることになるんだ。12月14日が空いているだろう」と主張している。

CL決勝トーナメント進出を目指しているナポリは、11月22日にマンチェスター・シティと、12月7日にビジャレアルと対戦する。そのため、11月30日に試合を行うことを望んでいないのだろう。

一方で、ユヴェントスが12月12日にローマと敵地で対戦することもあり、12月開催になったとしても、延期分が14日ではなく15日に行われる可能性もある。