広東省では冬になり気温が下がるにつれ、伝統の犬肉の鍋料理店の人気が高まっているが、省内の農村には犬泥棒が盛んに出没している。広東省だけでなく、昨年10月以降、中国各地の農村や都市で、飼い犬の盗難・毒殺事件が頻発、さらには住民の死亡事故まで起こっている。中国新聞社などが伝えた。

 頻発している「犬狩り」の裏には、暴利の追求がある。犬を1頭殺すのにほとんどお金はかからないが、死んだ犬はキロ4〜5元、生きている犬ならキロ20元以上で売れる。それらを使った犬肉料理は、40〜60元でレストランのテーブルに出される。

 「犬狩り」のための「装備」もグレードアップし続けている。武装警察の特務部隊が使うような、赤外線照準器付きのボーガンは、オンラインショップで2000元出せば入手可能だ。

 このほど広東省の警察に捕まった犬泥棒3人組みは、猛毒のシアンを塗った矢でボーガンで犬を殺し、深センなどに売りさばいていた。3人はこれまでに20トンを販売したと供述している。なお、3人は犯行時に住民に包囲され、うち1人をボーガンの毒矢で殺害したことも供述した。

 犬肉を扱う業界の関係者によると、毒矢や毒薬を使った飼い犬や野良犬の殺害が盛んに行われており、肉はそのまま市場に流通している。

 中国人が好んで食べる犬肉に対する監督管理は、かなりずさんな状態にある。犬肉検疫の国家基準はなく、市場で取引される犬肉の処理場も統一的な管理はされていない。レストランは、自由市場、個人、非正規のルートを通じ犬肉を仕入れている。レストランのテーブルに並ぶ犬肉料理が安全かどうかは今のところ、レストランのオーナーの「セルフチェック」にかかっている。(編集担当:松本夏穂)



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