米国家安全保障会議(NSC)の『中国の軍隊規律に関する調査報告』により、近年、中国軍内部で大規模な綱紀粛正が行われていることが明らかになった。中国語メディアが報じた。

 『報告』は、1980年代に入って改革開放が進むにつれ、中国軍の士気は下がり続け、1990年代には周辺情勢の安定にかまけて多くの部隊が金銭的な利益を追求し始め、軍隊の作戦レベルは著しく低下した、としている。

 しかし21世紀に入り、特に胡錦涛国家主席が中国共産党中央軍事委員会主席に就任した2004年以後には、人民解放軍では空前規模の“粛軍”が始まった。統計によると、少将以上の将校23人が免職されて軍事法廷に送られ、中将3人が除籍、大将1人が有罪判決を受けた。また、中佐以上の将校120人が処分を受けた。

 また、人事だけでなく軍隊の訓練内容も刷新が図られ、2004年以降はそれまでの“お遊びの演習”とは異なり、ほとんどの軍事演習で実弾が使用されるようになった。その結果、変化に対応できない多くの将校が第一線の部署から外された。

 また、人民解放軍の海軍及び空軍では、ベトナムで海戦などの実戦経験がある将校らを上層部に引き抜いている。米国の専門家によれば、このような大規模な綱紀粛正は毛沢東時代以降は初めてのこと。専門家は「近い段階で、中国は軍事力によって一部の重要の問題を解決する可能性がある」と指摘している。(編集担当:中岡秀雄)



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