韓国と北朝鮮、どちらの軍事力が上か

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 2010年11月23日に起きた北朝鮮による韓国・延坪(ヨンピョン)島への砲撃のニュースは日本に大きな衝撃を与えました。この事件が、長らく休戦状態にあった朝鮮戦争が再開される可能性は薄いものの、北朝鮮と韓国は近年にないほど緊張しています。

 ところで、万が一北朝鮮と韓国が戦争になった場合、どちらの軍事力が上なのでしょうか。
 『45分でわかる!14歳からの北朝鮮のすべて。』(辺真一/著、マガジンハウス/刊、2009年8月刊)によると、軍人の数だけ見れば北朝鮮は韓国の2倍近い119万人もいて(韓国は68万人)、戦車(北朝鮮3900台/韓国2300台)や大砲の数(北朝鮮8500門/韓国5200門)も北朝鮮の方が多いようです。また、多連装ロケット砲や潜水艦、戦闘艦艇の数も北朝鮮が上回ります。北朝鮮の軍事力は侮れないレベルにあるようです。

 しかしミサイルなどの、近代兵器となると、形勢逆転し、韓国が優勢です。
 例えば戦闘機を見ると、韓国が最新のF−15を使っているのに対し、北朝鮮は性能の劣るロシア製ミグー29、また韓国は7600トン級のイージス艦を持っていますが、北朝鮮は最大でも1500トン級の艦しか持っていません。

 これらの事実や、韓国には最新兵器を備えた米軍が3万人近く駐屯していることを踏まえて、戦力では韓国が上と見られているようです。

■核の脅威
 ただし、忘れてはならないのが北朝鮮の核です。
 2008年4月に韓国のある海兵隊予備役准将が「北朝鮮が核兵器を保有している状況で第二次朝鮮戦争が勃発すれば、韓国は100パーセント完敗する」と衝撃的な報告をしたこともありました。
 仮に戦争が起こったとして、北朝鮮が相手国よりも先に核を使用する可能性は低いものの、敗戦が濃厚になった時に一か八かで使用する可能性は十分に考えられます。

 本書では、第二次朝鮮戦争が起これば、人類史上初の核戦争となる可能性があることを示唆しています。そんなことになったら日本とて無事であるはずもありません。
 そんなことにはならぬよう、祈らずにはいられません。
(新刊JP編集部/山田洋介)


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