W杯メンバー発表の日が公表されたね。5月10日に本登録メンバー23人、12日に予備登録メンバー7人が発表されるという。
ここへきても世間的にまったく注目されてないのは悲しい限りだけど、実際のメンバーもコンディションが間に合わない選手で少し入れ替えがあるくらいで、サプライズはないだろう。ヨーロッパ組に関しては、視察のための渡欧をする前に岡田監督が半ば明らかにしてしまっているしね。

Jリーグで好調の田中達也や小野伸二が選ばれたりしないのか、というようなファンの声も耳にしたけど、それは全体の中での小さな話で、日本代表を取り巻く現在の空気に影響を与えるものではない。

特に日本では、その競技の注目度、盛り上がりは大手メディアの動向によるところが大きい。売れそうなものにはなんでも飛びついてさんざん煽り、売れそうもないものは取り上げない。世論はそこで作られていると言っても過言ではないよね。メディア的には、今のサッカーは当然おいしくないわけで、紙面も経費も割けないのだ。

そうした特性の中では、なかなか継続した文化が醸成されるのは難しい。メディアのやり方に功罪あるとすれば、罪の部分でもあると思う。セルビア戦の後も、今さら遅いという声はさておき、岡田監督やサッカー協会を批判するような報道は大手メディアの側から聞こえてこなかった。何かを変えなければならないタイミングで、そういう世論が作られないのだから、今のお寒い状況はなるべくしてなっただけの話だ。

世界中が注目する、4年に一度のW杯開幕まで50日を切った。国を代表して臨む選ばれしメンバーが発表されるまでは、あと2週間足らずだ。ポジティブな要素を探してコラムを書きたかったが、正直言って見つからない。
けれど、今までにない、こうした冷え切った状況で迎えるW杯本番で何を得るか。負けて帰ってきたときに、何を思うか。協会や代表チームだけでなく、我々メディアも、それぞれがそれぞれのフィールドで反省すべきじゃないかな。明日の日本サッカーのために。現状に期待はないけど、まだ希望はあるよ。(了)