ラツィオとの契約解除が認められ、インテルへの加入が濃厚とされるゴラン・パンデフ。彼が加入することで、マリオ・バロテッリの出場機会が減ると決まっているだろうか? インテル攻撃陣におけるバロテッリの序列が下がると決まっているだろうか?

反対要素の一つは、全員に出場機会はあるはずということだ。インテルがこれから迎える日程と、前線の実際の力、つまり1月6日以降にサミュエル・エトーがアフリカ・ネーションズカップで約1カ月離脱することを考えれば、チャンスは全員にあるはずだ(なお、エトーはチームと一緒にアブダビでのミニキャンプへ出発。新年初戦のキエーヴォ戦には出場可能だろう)。

エトーの離脱に加え、インテルはマーケットでも放出するストライカーがいる。マルコ・アルナウトビッチは買い取られず、ダビド・スアソは売却される可能性が多いにある。また、マンシーニとリカルド・クアレスマのどちらかがいなくなることで、さらにストライカーは少なくなるかもしれない。おそらく、マンシーニの方がより可能性が高いだろう。ジョゼ・モウリーニョ監督はクアレスマを信頼しており、ケガから復帰すれば、11月末のフィオレンティーナ戦で見せたポジティブな兆候が偶然ではなかったと証明できると信じているのだ。

ただいずれにしても、これまでのクアレスマを考えれば、未知数であることは変わらない。つまり、モウリーニョ監督は攻撃陣に関して、十分な代役が保証されていないのである。そこで、バロテッリに出場機会が与えられる理由の2つ目が浮上する。バロテッリとパンデフはともに、モウリーニョ監督が採用する複数のフォーメーションに適応できるという点だ。

パンデフは前線でユーティリティー性を持つ典型的なストライカーだ。だがバロテッリにも、あまりに決まった形でしかプレーできない選手ではないというアドバンテージがある。4-3-1-2では(エトーとディエゴ・ミリートがともに使えない場合に)トップ下の前で2トップとなれ、もしくはパンデフをヴェスレイ・スナイデルの代役として起用することもできる。最近何度か使われた4-2-3-1では、1トップのサポート役か、その後ろに並べることもできるだろう。4-3-3なら、プレーをワイドにする任務を担い、外からセンターへ入ってシュートを狙ったり、1対1で勝負することになる。

そして、バロテッリ出場の理由の3つ目が、選手の持つ絶対的な価値だ。バロテッリとパンデフがポジションを争うとしても、バロテッリにはポジションを守れる可能性がある。才能は十分であり、いくつかの試合でモウリーニョ監督は彼を唯一の武器、とても特殊な武器として考えることが可能で、パンデフを上回るのに十分だ。

そもそも、最近のバロテッリは継続性を失わされており、リズムやインテンシティ、理想的なコンディションを取り戻すための時間を必要としているはずだ。インテルが彼にそれを与えない理由など、まったく存在しないのである。