先日、7月24日から高知競馬場で始まった日本競馬史上初の通年ナイター「夜さ恋ナイター」を応援するため、JRA所属の武豊騎手、石橋守騎手、福永祐一騎手、川田将雅騎手が高知競馬場に来場した。

 JRAの4騎手や高知競馬のトップジョッキーも加わり、トークショー、サイン会、握手会などが行なわれ、ナイター競馬を盛り上げた。中でも、テレビ中継で夜さ恋ナイターに参加したファンにとって最大のお楽しみとなったのが、JRA所属ジョッキーが、パドック解説をするというもの。

 当日は、JRA所属4騎手の冠名が付いた「○○J特別」が行なわれており、自身の名前が付いたレースの出走馬を解説していくという企画だった。数々のJRA記録を塗り替えてきた武豊騎手がどんなパドック解説をするのか、当然、テレビの前で見守ったファンの方々は注目した事だろう。

「5番のメイショウタニカゼのお母さんのエミノディクタスには、騎乗された事があると…」
とのアナウンサーの問いに、

「そうですね。お母さんは中央で走っていましたから、乗った事がありますね。このメイショウタニカゼもメイショウのオーナーの馬ですから、気にはなりますよね!」

と軽快に受け答えするなど、順調に滑り出したかに見えたが…、


「いやぁ…、本当に…、見た感じではわかりづらいですからね(苦笑)。みんなおとなしいですよね。ここのパドックに慣れてますよね」

世界の武豊騎手が、苦戦している…。良い馬を見分ける事が出来るから、3000以上の勝ち星を積み重ねてこられたのではなかったのか?

「4番のセニョールベストが、10歳馬の割には、凄く元気良さそうに歩いてましたね!」

 解説者らしい解説が出た! さすが武豊騎手! と思ったのも束の間…、

「でも、まあ、いつもなのかもしれないし、ちょっとよくわからないですけどね(焦)」

 うーん、普段の騎乗とは真逆の、何とも頼りない解説…。挙句の果てには、

「2番のフラップジャックのお父さんがダンスインザダークで、菊花賞も勝たせてもらった馬ですから、その辺で注目していますけどね」

「メイショウタニカゼは、お母さんも栗毛の馬でしたね。綺麗な馬ですね」

「6番のエイシンテンドーは、お母さんのお父さんがサンデーサイレンスですからね。日本競馬の一時代を築いた馬の血が流れていますから、注目しています。まあ、この馬も綺麗な馬ですね」

「7番のレッドソウルのお父さんのキャプテンスティーヴとはドバイWCで一緒に競馬して、キャプテンスティーヴが勝って、僕のトゥザヴィクトリーが2着だったんですけどね」

 アナウンサーが「ではそろそろまとめを…」と言った瞬間「おいおい、パドック解説がこんなんでいいの?」と突っ込んだ方が多かったのではないだろうか。ちなみに、

「今日のレースを見ていると、先行馬が有利ですよね。先行出来る馬がスピードがあるという事ですから、7番のレッドソウルが速いんですかね? 後は、パドックで目に付いたセニョールベスト、応援したいのはダンスインザダークの子供のフラップジャックとか…、メイショウタニカゼですね!」

 と、半ば強引に締め括ったが、結果はレッドソウル2着、セニョールベスト3着、フラップジャック4着、メイショウタニカゼ7着と、散々なものとなってしまった。

 ちなみに、武豊騎手の事を擁護しておくと、武豊騎手の前に同じく自身の名前が付いたレースの出走馬を解説した川田騎手、福永騎手、石橋守騎手、いずれも推奨馬同士で決着する事はなく、全員仲良く不的中だった。

どのジョッキーも、
「実際に乗ればわかるんですけど…」
と口を揃えており、乗るのと外から見るのでは、勝手が違ったという事だろうか。

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