YouTubeキラーの動画サイト『Blinkx』:顔や音声検索のほか、「番組」も

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Eliot Van Buskirk

ほとんどの検索エンジンでは、動画を検索する場合、メタデータのみを基に検索を行なう。一方『Blinkx』は、メタデータだけではなく音声認識や顔認識なども用い、動画を分析する。人間がかかわる前に、「文字通り、動画を視聴」してくれるのだ。

同社の技術は米Ask.com社米Lycos社、米Microsoft社などの検索エンジンにも導入されているが、Blinkx社自身のサイトはもともと、集客目的というよりはデモンストレーションの意味合いが強かった。しかし同社は5日(米国時間)、自社サイトを大幅に拡充。約3200万時間分の動画をインデクス化したほか、デザインをリニューアルし、新機能を加えた。

この新機能は、Blinkxでの経験を、単なる面白い動画や有益な動画の単なる寄せ集めではなく、テレビ放送のようなシームレスな「くつろぎ」の体験に変えるためのものだ。顧客は、実際に動画を見るまで、自分が何を探していたか分かっていないことも珍しくないが、そうした顧客にも満足できる体験を提供するのが目的だ。

それでも、Blinkxの核を成すのは、複数の動画サイトを検索できる機能だ。これは、「YouTubeだけの生活」と鋭い対照をなすものだ。

「この1年間でBlinkxは急成長した」と、Suranga Chandratillake氏(上の写真)は電話で語った。「YouTube以外にも動画があることに気付く人が増え、そうした人は何でも検索できる場所を求めているように思う」。

小規模なサイトにある動画の多くがYouTubeでも見つかることは、Chandratillake氏も認めている。しかし、テレビ局やニッチ市場を狙う企業が、独自の動画サイト(『Hulu(日本語版記事)』や、大手レコード会社4社が計画中のサイトなど)を立ち上げており、YouTubeはもはや百科事典のような存在ではなくなっている。

Blinkxは今回、テレビを見るような「くつろぎ」の体験を実現するため、2つの新機能を加えた。

『inform me』ボタンを押すと、ウェブ上でよく見られている最新のニュースが継ぎ合わせられ、切れ目なく流れてくる。YouTubeなどの動画が1つの番組にまとめられ、24時間のニュースチャンネルで放送されている感じだ。

『entertain me』は、口コミで広がり、さまざまなウェブサイトで注目されている動画が同じように流れてくる。

(『give me my own channel』は基本的には検索ボックスで、検索語に関連した動画のプレイリストを作ってくれる)

Chandratillake氏は、inform meボタンはGoogle Newsのビデオ版であり、entertain meボタンはバイラルビデオやコメディビデオをMTVスタイルで紹介する番組だと説明している。

さらに、動画を分析する機能のおかげで、特定の場面を飛ばしたり、特定の人物が登場する場面を探すこともできる。現時点で、数百人分の有名人の顔がインデックスされており、動画のメタデータに名前が含まれていなくても、目当ての有名人を見つけることができる。今後、もっと多くの顔が追加される予定だ。

もう1つの重要な機能がディープタグと呼ばれるものだ。例えば下の画面で、横にスピーカーのマークが付いたタグをクリックすると、その言葉が発せられた場面に飛ぶことができる。

{この翻訳は抄訳です}


WIRED NEWS 原文(English)

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