クレメンスが謝罪―。薬物不正使用疑惑に次いで、次々と不倫関係が明るみに出ていたロジャー・クレメンスが5日、謝罪声明を発表した。
 「たとえ、これらの記事が多く虚偽の言いがかりや、間違いを含んでいるにせよ、私は、人生において、間違いを犯し、それを後悔していると言わねばならない」と、個人広報を勤めるパトリック・ドートンを通じて、声明を発表したもの。「私は、家族とファンに対して、申し訳なく思っている。誰にでも間違いはある。正しくないことをしてしまった」。
 声明は、まずクレメンスの自宅があるヒューストンの地元紙「ヒューストン・クロニクル」に発表され、その後、AP通信など複数のメディアが伝えた。
 クレメンスは、現役時代にステロイド剤など薬物を不正使用してきた疑惑がかけられている一方、最近になって、ニューヨークの地元紙「デイリー・ニューズ」紙に、カントリー歌手のマンディー・マクレディーが、当時彼女が15歳の未成年の頃から10年に渡る不倫関係を続けていたことを口火に、マンハッタンのバーテンダー、アンジェラ・モイヤーや、プロゴルファー、ジョン・デイリーの元妻、ポーレット・ディーン・デイリーら、複数の女性関係があったことが次々と実名入りで報道されていた。
 「個人的な生活は、ヒト成長ホルモン(HGH)使用問題とは何ら関係がない。前にも明らかにしているように、そんな薬物を使ったことはない。今、私は、15歳の未成年と不適切な関係を持ったといわれているが、それも事実ではない。この関係は、現実からは遥かに捻じ曲げられ、歪曲されている。多くの人は、私がこれらのことを告白し、謝罪するように望んでいるのは分かっているが、私は自分がやっていなことを告白したり、謝罪したりすることはできない。私は、家族に対して自分の間違いを謝罪したが、この謝罪を公にするに至って、これ以上は、プライベートなこととして欲しい」
 クレメンスのラスティ・ハーディン弁護士は「こんなに、叩かれた人をみたことがない。まるで、未知の場所にいるようだ」と、昨今のクレメンスを巡る醜聞に困り果てた様子。クレメンスは、元個人トレーナー、マクナミーを名誉毀損で訴えているが、不起訴にするかどうかは、クレメンス次第だという。
 「それは、クライアントが決めること。弁護士の選択ではない」と、同弁護士は語っている。