セリエA第9節でミランはローマ相手に破れた。今季ホームでの連続失点記録が続く壊滅的な状況だ。ビッグクラブに負けるのならまだしも、地方チームのエンポリにまで負ける体たらくに悲観的なファンからは「B降格するかも……」との声も出ている。
 首位インテルからは勝ち点11の差をつけられ、モラル低下は甚だしい。ローマ戦で怒るサポーターは「補強を!」と訴えたが、副会長ガリアーニは「最強のメンバーはすでにいるんだが……」と戸惑いを隠せない。

 結果を出し続けるチャンピオンズ・リーグ戦線と比べて、醜態を晒し続けるセリエA。

『カルロ(・アンチェロッティ)のやつは選手たちに何て言ってるんだい?』

『“イタリアン・チャンピオンシップ”の、次の“マッチ”に集中しろ、だとさ』

“イタリア国内リーグを軽視しすぎ”と不満の募るサポーターの声を反映して、伊紙上ではこんなジョークも掲載された。“(CHAMPIONS LEAGUEのように)英語で言えば少しはやる気を出すだろう”という痛烈な皮肉だ。

 ローマ監督のスパレッティは「問題はミランのプレーにではなく、勝敗結果にある。再び狡猾さを取り戻せれば、勝ち点を稼ぎ出するだろう」と同業のアンチェロッティに同情する。前述のガリアーニは「先発の11人は変わらない」としつつも、迫る冬の移籍市場で攻勢をかけることは必至だ。