マンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン監督が、新シーズンの2トップ構想を披露。プレミアリーグ2連覇を狙う老将は、現在獲得に動くウェストハムのFWカルロス・テベスを、早くもイングランド代表FWウェイン・ルーニーの相棒に指名したのだ。

 今オフの移籍が確実視されるテベスだが、一部の専門家は、マンUのエース、ルーニーとプレースタイルが似通う点を指摘。センターフォワードの背後を主戦場とする2人を最前線に並べることは、戦術的に無理があるとの懸念も聞こえている。しかしファーガソンは、昨シーズンのFAカップ決勝戦を持ち出し、ルーニー&テベスの2トップ実現に自信を覗かせている。

「2人のスタイルが似ていると言われているのは知っている。彼らは、センターフォワードの後ろでプレーするのが好きだと言うのだろう? しかし、FAカップ決勝のチェルシー戦を思い出して欲しい。ウェインは1トップの役目をキッチリと果たし、素晴らしいプレーを披露していただろう。ウェインの可能性は、まだまだ広がり続けているんだ。だからこそ、カルロス・テベスのような選手と2トップを組んでも、ウェインは何不自由なくプレーできるはずなんだ」

 一方、昨夏の時点でも獲得のチャンスがありながら、保有権を主張するメディア・スポーツ・インベストメント(MSI)社の関わりを懸念し、一度はテベス獲り見送ったというファーガソン。しかし、この23歳の一撃で敗戦を喫した昨シーズンの最終戦をきっかけに、今オフの獲得に本腰を入れ始めたとファーガソンは明言している。

「昨シーズンの最終戦で、カルロスは素晴らしいプレーで我々を苦しめた。それ以前にも、危険な存在であることを証明し続けていたしね。彼は、1対1に強い。これは、簡単に手にできる能力ではない。彼のような才能をチームに加えることが出来れば、大きな戦力アップにつながる。もちろん、ウェインも同様の能力を備えている。だからこそ、彼らが組む2トップは、相手DFの脅威になるはずだ」

 いまだ獲得の決定していないテベスを、来シーズンの攻撃陣のキーマンに挙げたファーガソン。入団前から戦力として計算するほど、テベスの能力に惚れ込んだ老将は、あらゆる手を尽くして移籍交渉をまとめるはず。イングランドとアルゼンチンが生んだゴールハンターが組む豪華2トップは、プレミアの屈強なDFたちを大いに苦しめるだろう。